「見ていてつらい」エレファント・マン 吉泉知彦さんの映画レビュー(感想・評価)
見ていてつらい
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ジョン・メリックの恐ろしい容姿をこれでもかと突き付けられて気の毒には思うけどどう考えても不気味で気持ちが悪い。善人であることがまた、こちらの良心を苛む。彼に同情的であろうとする気持ちに、「気持ちが悪いと思ってるくせに、この偽善者が」と自分が自分を責め立てる。一方で、見世物にしようとする病院の職員やサーカスの男には腹が立つ。そしてジョン・メリックに同情的なセレブには偽善じゃねえかと批判的な気持ちになるし、見ていて心が疲れる。とんでもない映画だ。
あの容姿で横になって寝ると死ぬという、人生ハードモードにもほどがある。
リンチの伝記本『夢見る部屋』の章を読みながら見た。大昔テレビで見て以来2回目だ。アンソニー・ホプキンスが若者だったリンチをなめくさっていたことを知りながら見ると、それにしてはプロとしてしっかり仕事をしている。
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