劇場公開日 2020年7月10日

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エレファント・マンのレビュー・感想・評価

全65件中、1~20件目を表示

4.5醜さとは何か

2024年4月18日
PCから投稿
鑑賞方法:その他

悲しい

難しい

デヴィッド・リンチ監督作品。

19世紀のイギリスで「エレファント・マン」と呼ばれた青年ジョゼフ・メリックの半生を描いた伝記的な劇映画。

本作の「エレファント・マン」の名は、ジョン・メリック(John Merrick)だが、それは医師のフレデリック・トレヴェスの表記に由来する誤記らしく、正しくは、ジョゼフ・ケアリー・メリック(Joseph Carey Merrick)。
また彼の半生もウィキペディアを出典とするが、本作とは大きく解離している。
そのためジョゼフ・メリックの半生をデヴィッド・リンチ監督が大きく脚色し、映画に翻案したものと考えた方がよさそう。
しかしそうはいっても、物語はかなり秀逸。

醜さとは何か。障害を扱う映画の常套句のようだが、それでも見事に描かれている。

ジョンを「エレファント・マン」として見世物小屋に出展させるバイツ。彼はビジネスパートナーとして、ジョンを承認するが、虐待をする。夜警のジムなんて一番最低な人物だ。人々から見物料をせしめて、夜な夜なジョンの病室に忍び込み、見世物をする。また上流階級の人も、大衆も酷い。好奇で畏怖する眼差し。あんな眼差しに常日頃から晒されるジョンの苦悩は想像に難くない。また医師のフレデリックも、バイツと自分自身を重ねる。彼はジョンを症例としてある種利用するのだから、完全な善人とは言えないだろう。院長や評議員もそうだ。

このように登場人物を非難する私ではあるが、ケンドール夫人や看護婦長、見世物小屋にいる小人のように振舞えるかと言えば、同意しかねる。

ジョンと対峙すれば、大衆と同様に好奇の眼差しや目を背けたくなるだろう。内なる醜さを再確認させられるようだった。

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まぬままおま

4.5これほど深く感動的な映画だったことに改めて衝撃を受けている

2020年7月27日
PCから投稿

今回の4K修復版は、その映像の美しさにただただ没入せずにいられない。今はもう亡きジョン・ハートが素顔を隠して放つ純朴な演技にひたすら心奪われ、アンソニー・ホプキンス演じる医師との友情にも胸迫るものを感じるこのひととき。映像が澄み渡っていることが手伝って、彼らの繊細な表現が他の要素と混濁することなく、より純粋に際立って伝わってくるかのようだった。また、今の時代に鑑賞することで、いかに医師が先入観を取っ払って、敬意と友情を持って向き合おうとしていたかがよく分かるし、彼が「私は興行師と同じなのではないか」と自問したり、病院内の世界を見世物小屋と比較するなど、リンチが意識的に盛り込んだ構造的なテーマ性も深く突き刺さる。終始に渡って映し出される大聖堂の模型が印象的だ。見えない部分を想像力で補って作り上げたその模型は、人間性や内面を真正面からしっかりと見つめることのメタファーとしても解釈できるだろう。

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牛津厚信

4.0病のために奇形になった青年の生き様

2024年10月20日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

いつか観たい・・・と思いながら、やっと観ることができました。
エレファント・マン(母親のお腹の中で、暴れ象に踏まれたような異形の青年)
ジョン・メリック(1962年8月5日に生まれ、1890年4月11日に亡くなる)
1980年作品。監督は「ツインピークス」などの、
デヴィッド・リンチ。
奇形に生まれたけれど心の美しいジョン・メリック。
生まれた時に異常はなく、生後21ヶ月頃から、
病気を発症。腫瘍や膨張と変形を繰り返す病でした。
母親は36歳で病死。
以後貧困に喘ぐ一家は救貧院ににゅうしよ。
そこも貧困者が多く、自らの意志で見せ物小屋へ赴く。
22歳のことでした。
こうして「エレファント・マン」は誕生したのです。
サーカス小屋の見せ物になって生きていた時、
外科医のトレヴェス(アンソニー・ホプキンス)に
救われる。
はじめは研究対象とみていたが、ジョンの心の声を聞くと、
心根の優しさに気づき、
ジョンとトレヴェス医師は友情で結ばれて行く。
ジョンは次第に広い世界を知るようになる。
人間には2種類いる。
この世にはサーカスの興行主のように
見せ物にして稼ぐことしか考えない種類の人間と、
ジョンを慈しみ仲間に入れる種類の人間に分かれるのを知る。
ビクトリア女王の口添えもあり、ジョンは病院内に部屋を貰い、
生涯暮らすことを認められる。

しかしある夜、彼を見物に来た一団とサーカス団の経営者に拉致され、
見世物小屋に戻ることになる。
また動物扱いされる日々。
ジョンの身体は徐々に蝕まれて行く。
そしてサーカスの団員に逃してもらったジョンは蒸気船そして
蒸気機関車を乗り継ぎ苦難の旅をする。
ある日、チンピラに絡まれて暴行を受けて、警察に保護される。
そしてホプキンスの病院にやっと戻って来るのだ。

晩年(と言うか、病院に戻ってからは、)心安らかに暮らし
ある日覚悟したようにベッドに入り、
蝋燭が消えるように亡くなる。
モノクロの映画です。

ジョンの奇形の様子をみると成人できて、
27歳まで生きているのが不思議なくらい。

哀れさと、ジョンの美しい無垢な心に打たれました。

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琥珀糖

4.5観ていて息苦しかった(すごい)

2024年8月26日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

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さば缶のWi-Fi

3.0恐らく主人公は見てる人が思うほど辛くはないと思う。少なくても今は。

2024年6月30日
PCから投稿
鑑賞方法:その他

悲しい

幼いときから繰り返し虐待を受けてきた上で、仕事をし続けて来たわけで、出なかったらここまで素直な心を維持、表現できない。
だから音楽の使い方。効果音の使い方。繰り返される虐待描写には少し違和感を覚えた。デビット・リンチ自身が彼を見世物にしてはいないか。悪人と善人という両極端をみせつけられ、そう思った。悪人は西洋独特の貴族社会の中で相当虐げられてきたのではないか。さらに弱いものを叩くしかないこの社会の悲劇感を感じる。奥さんだけは純粋に主人公と
向き合ってはいたが、総じて貴族社会の息苦しさが目についてしまった。今現在の西洋はそうではないと信じたいが、この時代で相当行き詰まっている苦しさを感じた。彼の心だけが自分にはホッとできた。

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茂

5.0本作が後世まで遺され、出会うことができてよかった

2024年6月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

言葉にならない。色んな人間がいるし、1人の人間だって、色んな顔を持っている。生まれ持った容姿を面白がることなど許されない、その人の人となりを、本質を知ろうとすること、困っている人には寄り添うことが人間としてあるべき姿なのだと、強く思うのだけれど、実際劇中で彼のマスクの中の顔が初めて映った際には目を背けてしまったし、街中で見かけるとパニックを起こす自信もある。自分は本当に、トリーヴス医師やその妻、婦長、ケンドール氏らと同じ側でいられるだろうか。

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やぎ

3.5実話という衝撃

2023年11月27日
iPhoneアプリから投稿

悲しい

幸せ

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ゆい

4.0大昔観たけれど再度

2023年8月23日
PCから投稿

悲しい

難しい

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見聞

3.0実話とは…

2023年5月7日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

実在したジョゼフ・メリック氏の数奇な半生を描いた作品。公開当時から約40年ぶりに観ましたが、恐ろしいくらい覚えてませんでした…(汗;)。今ではプロテウス症候群というようですが、外観の変異が激しく、自分だったら耐えられないような気がします。そして恐らくは、病気そのものよりも人々が自分を奇異な目でみることに悩まされたに違いありません。映画では少し違う描かれ方になってますが、実際には自ら見世物興行の世界に入っていったようです。一体どういう心境だったのか本人でないとわかりませんが、社会から隔離されて生きることの方が辛かったのかもしれません。それに、彼を支えてくれた多くの人々がいたことも事実だったようで、そこに救いの感じられる実話でした。

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赤ヒゲ

3.5僕は動物ではない人間なんだ!

2023年2月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

知的

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だいふく

5.0観て良かったと心から思う

2023年1月19日
iPhoneアプリから投稿

4K版公開を見逃し2年越しにTV鑑賞。私はこれまで虐げられることが多かった人生だったので、ジョンに自分を投影して見ていました。ジョンの抱く喜怒哀楽には強く共感。特に綺麗な女性に受け入れられるってのは奇跡的な瞬間であり、自分も救われたような気持ちになった。また、医師の婦人に言った「がんばらなくても受け入れてもらえる」的な台詞にも強く共感しつつ、客観的に聞かされると刺さるものがあった。
同じ境遇から抜け出そうとするジョンを送り出すフリークスの仲間達にもグッときた。あのシチュエーションであれば足を引っ張るという人も出てくる中、彼らのスタンスは見習わなければと思った。
苦しい状況から誰もが無条件で抜け出せるわけではなく、有形であっても無形であっても人の心を動かすモノがきっかけとなり道が開ける。ジョンの場合、それは知性だったんだなと思う。
古い映画なのでどうかなと思っていたけれど、現代映画のような巧妙な展開や情報量の多さがなく、おかげで自分の感情と向き合うことができる。考える余白を与えてくれる映画が私は好きだ。

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リプリー

3.0正統派のはずなのに、何かがおかしい

2021年10月29日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

何だろう。「ツインピークス」でその風呂敷の拡げ方に夢中になって追いかけた挙句、突き放された苦い経験があるのですが、まだそんなことはおくびにも出さない頃のリンチ作品で、正統派のヒューマンドラマと思わせといて実は…みたいなひっかけは一切ありません。

ただ、当時「泣ける」というような評価を真に受けて、見てみたら何か違う、何かがおかしい。と思ったのが正直なところで、その一つが主人公の顔の特殊メイク。徹底して最後まで見せないつもりかと思いきや、意外にあっさり途中で顔をさらし、そこからはひんぱんに素顔で登場しますが、顔の扱いが凄く雑な印象を受けました。

同時代の映画「スターウォーズ帝国の逆襲」なんかでは、異星人のリアルな表情をアニマトロニクスで巧みに表現できていたので、もっとリアルな造作が出来たんじゃないかと思いました。いかにも作り物という風情の特殊メイクにはかなりの違和感を抱いたのです。そのことが残念過ぎて、映画の世界にもう一つはまり込むことが出来ませんでした。

2018.4.5

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うそつきカモメ

4.5考えさせられる。

2021年10月17日
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P.N.映画大好きっ子さん

4.5個人的に号泣必至だった

2021年5月3日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

久しぶりに映画で号泣しました。

リンチ作品の、場面が切り替わる時に舞台みたいに、それも(多分)あえてややゆっくり暗転する演出が好きです。昔の映画みたいでしっとりして叙情的で上品だよね。

しょっちゅうメソメソして鼻かんで忙しい鑑賞だったんだが、特に泣いたのはやっぱり、ジョンがトリーヴズ医師?の奥さん相手に母親について話す場面。あと、ラストだなぁ、、 ラストの音楽もよかった、、有名な曲かな。

それにしても、、当時の病院のセキュリティ、、ザルだな(呆)

女優のケンドール夫人?素晴らしいですね。慈愛がすごい。こういう、掛け値なしの愛情を注げる人間でありたいものです。
なんだろう、、全員ではないけれど、演者というのは、往々にして本質を見抜く目を持っている人が多い気がします。共感能力が高いせいかな。

トリーヴズが、自分のやっていることが偽善なのか葛藤する辺りも、人間的で良い。
若い頃のアンソニー・ホプキンス、けっこうイケメンね、、(←今更?笑)

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yolanda

2.0ま、面白くは、ない。

2021年2月10日
iPhoneアプリから投稿

これまた普通の話をちょっと歪んだリンチ節で撮った一本。
正義の医師役のアンソニー・ホプキンス が、後に地下牢に潜む本物の怪物に成るのだぞ、と思いつつ観ると愉しいっちゃ愉しい。
ま、面白くは、ない。
修行の為に観たとした一本。

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きねまっきい

4.5Am I a good person? 人間の醜美とは?

2020年11月23日
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鑑賞方法:映画館
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アキ爺

5.0泣きました

2020年11月7日
iPhoneアプリから投稿

虐げられ悲惨で惨めな運命から、最期に出逢ったのは神の救いだった。この映画を観て生まれて初めて宗教が必要な場合もあるんだと考えさせられました。

目が痛くなるほど泣きましたが、一緒に観た友人はケロッとしていました。

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ししまる

3.0ビジュアルは奇抜だけれども

2020年11月5日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しくあたたかい物語。
人間のエグい部分とのコントラストで、繊細に描かれたエレファントマンのこころの美しさは一層神がかって見えます。
なんかハッとさせられる。

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chibirock

3.5二度と作れないような映画

2020年8月24日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

高校生の時、封切り当時、一体どれほどすごいのかとにかく見てみようと並んで観ました、映画館はすごい人で立ち見、それも初デート。
予想通りめっちゃくちゃ重い内容、よほどの映画好きじゃない限り、初デートではおすすめしません、でも、メリックの奇形も初めは、おおうってなったが、段々と慣れていき、また、非常に厳しい内容だが、作り方がうまくて、脚本もきちんとエンターテインメントになっていたし、偽善だろうと何だろうと、彼を人間として救った医師と周辺の人の優しさが伝わったし、主人公も必死に生きた、今は悪役も多いアンソニーホプキンスが非常にやさしい医師を演じているし、この厳しい内容の題材を映画として完成させたデビッドリンチはやっぱりすごい才能があると思う。ラストもとても美しくまとめているのが救いか、映画好きなら見て損は無いと思う。

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映画は大切な友

4.0まさかの映画館で鑑賞出来るとは…

2020年8月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

難しい

上映当初から鑑賞してる人にとっては,感動?懐かしさ?内容の奥深さ?が生まれたんだろう。
当初から観たかったのは言うまでも無い事なのだが、本当に何も知らない状態からの鑑賞になる…。   デビット・リンチ監督作品である事(一寸,あまり例には出さないかなぁ⁇ツインピークスには滅茶苦茶嵌まった思い出が蘇った❗️)と、(あんなに若くてスレンダー&ここ最近,“羊たちの沈黙”シリーズに嵌まっていた)私には,一寸自分の眼を疑ってしまう程の同一人物のアンソニー・ホプキンスのナイスガイ振りと、実話というジョン・ハート演じるジョン・メリックについて色々調べた処…,自らの半生を綴ったとされる小文に「母親が,妊娠中に“五月祭”なる行事で町を訪れた移動動物園のパレードを見物しに行った所,誤って行進して来た象の足元に転倒,強い恐怖を味わった事が原因」だと書かれていたようだが…,その事で,極度の変形や頭蓋骨の増殖を帯びたという事自体を題材にしたデビット・リンチ監督にも、調べれば調べる程,興味を唆られた…。

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サクちゃん