キャンディ(1969)
劇場公開日:1970年9月12日
解説
性文学のベスト・セラー「キャンディ」の映画化。製作はロバート・ハギャッグ、監督は「太陽は傷だらけ」のクリスチャン・マルカン。「イージー・ライダー」のテリー・サザーンとメーソン・ホッフェンバーグの共著を、「卒業」のバック・ヘンリーが脚色。撮影は「サテリコン」のジュゼッペ・ロトゥンノ、音楽は「レーサー」のデーヴ・グルーシンがそれぞれ担当。主題曲はザ・パーズとステッペンウルフが歌っている。出演は「殺しを呼ぶ卵」のエバ・オーリン、「華麗なる悪」のリチャード・バートン、「伯爵夫人」のマーロン・ブランド、ビートルズのリンゴ・スター、「ハロー・ドーリー!」のウォルター・マッソー、「冒険者(1970)」のシャルル・アズナブール、「電撃フリントGO!GO作戦」のジェームズ・コバーン、「異常な快楽」のジョン・ヒューストン、「カトマンズの恋人」のエルザ・マルティネリ、「ウエスト・サイド物語」のジョン・アスティンなど。イーストマンカラー、ビスタサイズ。1969年作品。
1969年製作/124分/アメリカ
原題または英題:Candy
配給:松竹映配
劇場公開日:1970年9月12日
ストーリー
学園の人気者キャンディ(エバ・オーリン)は、華麗な講義をする詩人のマクフィスト教授(リチャード・バートン)に、今や夢中であった。放課後、教授にさそわれたキャンディは、その誘惑の魔手の中に入っていった。興奮のおももちでキャンディを抱きしめる教授。だが、そのラブ・プレイも深酒に邪魔され、思うにまかせなかった。そこで教授は庭師のエマニュエル(リンゴ・スター)に、彼女を襲わせた。抵抗しながらも濡れるキャンディ。そこへ、キャンディのパパ(ジョン・アスティン)がやって来たため、その場はオジャン。スキャンダルをさけ、ニューヨークへ転校するため、キャンディは、パパ、ジャック叔父さん(ジョン・アスティン、二役)、それにリビア叔母さん(エルザ・マルティネリ)につきそわれ、空港へ向かった。が、その途中で、一行は地獄の天使風のエマニュエルの3姉妹に襲われ、スマイト准将(ウォルター・マッソー)と彼の部下の軍用機に救われたものの、パパは一撃を受け、気絶してしまった。一方、一目でキャンディの魅力の虜となってしまった准将に、いつの間にか彼女は裸にされていた。そして、准将の腕が全裸のキャンディに伸びた時、彼はあやまって落下傘降下のスイッチを押してしまった。次々と降下していく准将と部下たち。こうして准将の悦楽は、未遂のまま終わった。ようやく難を切り抜け、ニューヨークについたキャンディたちは、パパの治療を天才医師クランカイト博士(ジェームズ・コバーン)に委ねた。博士の大胆奇抜な手法は、皆を驚かせた。手術後、パパの容体を気づかったキャンディは、博士を探すうち、病院の乱痴気パーティーにまき込まれた。そこにはパパもママもいた。そして、博士とダンラップ院長(ジョン・ヒューストン)は、キャンディを特別診察? した。やがて、キャンディは病院を飛び出し街に出たが、そこにも“怪盗せむし男”(シャルル・アズナブール)など、狼たちがコケットな彼女を襲おうと待ちかまえていた。こんな状態に嫌気がさした彼女は、愛と平和を求めて旅に出た。さすらうキャンディは、今度はヨガの行者グリンドル(マーロン・ブランド)に会い、交わりと抱擁の中で、空想の世界に導かれた。グリンドルと別れを告げた彼女は、広大な砂漠に身を投じ、そこで美しい鳥と、聖者に出会った。彼に導かれるまま、キャンディは秘密の洞窟に入っていった。その時、突然、天井が崩れ、驚きのためキャンディは聖者の胸の中に、飛び込んでいった。強くキャンディを抱きしめる聖者。その顔は、いつしかなつかしいパパの顔になっていた。--緑の草原を歩くキャンディ。彼女の前には、この作品を作った人々、演じた人々がいた。だが、彼女はひとり歩き続ける。無限に広がる宇宙をめざして、人間の本来性を求めて--。
スタッフ・キャスト
- 監督
- クリスチャン・マルカン
- 脚色
- バック・ヘンリー
- 原作
- テリー・サザーン
- メーソン・ホッフェンバーグ
- 製作
- ロバート・ハジャッグ
- 撮影
- ジュゼッペ・ロトゥンノ
- 音楽
- デイブ・グルーシン
- 主題歌
- ザ・バーズ
- ステッペンウルフ