おかしな結婚
劇場公開日:1974年2月9日
解説
男と女がたどる人生の哀感をコメディ・タッチで描く。製作はジュリアス・J・エプスタイン、監督は「サウンダー」のマーティン・リット、原作はピーター・デブリースの小説「魔法使いのミルク」。脚本はジュリアス・J・エプスタイン、撮影は海洋学者として有名なジャック・イブ・クーストーのドキュメンタリー出身のジョン・A・アロンゾ、音楽はジョン・ウィリアムス(2)、編集はフランク・ブラクトが各々担当。出演はウォルター・マッソー、テレビ番組「カーネギー・ホールのジュリーとキャロル」で認められた舞台女優キャロル・バーネット、ジェラルディン・ペイジ、バリー・ネルソン、ルネ・オーベルジョノワ、リー・H・モンゴメリー、ヘンリー・ジョーンズ、ケント・スミス、フィリップ・ボールネフ、ティモシー・ブラックなど。
1973年製作/アメリカ
原題または英題:Pete N Tillie
配給:ユニヴァーサル=CIC
劇場公開日:1974年2月9日
ストーリー
結婚適齢期をすぎ、もうオールドミスといわれても仕方のないティリー(キャロル・バーネット)がピート(ウォルター・マッソー)と出会ったのは、友人のガートルード(ジェラルディン・ペイジ)の家で開かれたパーティの席だった。ウィットに富、あけっぴろげでシャレや冗談がうまいピートに家まで送ってもらい、いっぱい飲んだものの、芽ばえかけたロマンスはそれ以上には発展しなかった。しかし翌日、昼食と共にしたガードルードにケシかけられ、ピートを夕食に招いたことから何回かデートを重ね、ベッドを共にするようになった。ある晩、ティリーはもうハネムーンは終わったと宣言し、結婚式を挙げた。やがてティリーが妊娠すると、2人はミル・バレー郊外に家を借り、9カ月後にチャーリーが生まれた。初めから父と息子はウマが合った。チャーリー(リー・H・モンゴメリー)は父の姿さえ見れば喜んでいたし、少し大きくなると、2人はスポーツや、スパイク・ジョーンズ・スタイルの音楽や、アボットとコロステ式の会話を楽しむようになったがこの親子を心から結び付けていたのはいたずら好きからだった。ピートの果てしない気まぐれや、事務所のブロンド娘ルーシーとの浮気や、結婚生活からくる種種のしがらみにもかかわらず、セルツァー家は何となく持ちこたえていた。しかし、それも一家の希望であるチャーリーが難病にとりつかれるまでだった。チャーリーは白血病にかかり、僅か9歳で世を去ってしまった。ティリーは神を呪い、家の中から笑いが消え、2人の間は冷戦状態が続いた。ティリーは生きることに耐えられず、キーティング牧師(ケント・スミス)を通して、カトリックへの改宗を考えた。友人たちが夫婦をパーティに引っ張り出した。その席で赤毛の女と親しそうに話しているピートを見て、ティリーはますます傷ついた。間もなくピートは欲求を外で満たすようになり、夫婦の別居生活が始まった。最も親しい友人だったガードルードとも喧嘩別れした。ティリーは療養所に入った。そこに室内装飾家のジミー(ルネ・オーベルジョノワ)が訪ねてきた。彼は結婚を申し込んだ。ティリーは、おちゃらけていた彼の孤独を感じて強く心を動かされた。その後今度はピートが面会に来た。そして別居生活のわびしさを訴えた。散歩する2人の間に少年がさっと通り抜けた。見るとチャーリーにそっくりな顔をしている。ティリーが泣きだし、ピートも眼に涙をにじませた。突然2人を隔てていたギャップが消えた。2人がピートの車に乗り込んだとき、すでにティリーの荷物が積み込まれていた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- マーティン・リット
- 脚本
- ジュリアス・J・エプスタイン
- 原作
- ピーター・デ・ブリーズ
- 製作
- ジュリアス・J・エプスタイン
- 撮影
- ジョン・A・アロンゾ
- 音楽
- ジョン・ウィリアムズ
- 編集
- フランク・ブラクト
- 字幕
- 高瀬鎮夫
受賞歴
第45回 アカデミー賞(1973年)
ノミネート
助演女優賞 | ジェラルディン・ペイジ |
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脚色賞 | ジュリアス・J・エプスタイン |
第30回 ゴールデングローブ賞(1973年)
ノミネート
最優秀主演男優賞(コメディ/ミュージカル) | ウォルター・マッソー |
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最優秀主演女優賞(コメディ/ミュージカル) | キャロル・バーネット |
最優秀助演女優賞 | ジェラルディン・ペイジ |