ウォルトディズニーの小さな無法者

劇場公開日:

解説

10歳のメキシコ少年パプリトが名馬に注ぐ愛情を描いた児童映画。ディズニー傘下のプロデューサー、ラリー・ランズバーグの原作をビル・ウォルシュが脚色、メキシコの監督、「野女ヤスカラ」のロベルト・ガヴァルドンが監督した。撮影は、これもメキシコのアレックス・フィリップス、音楽は「国境の決戦」のウィリアム・ラヴァ。主演は「船の女」のペドロ・アルメンダリス、10歳のメキシコ少年アンドレス・ヴェラスケス。ほかにロドルフォ・アコスタ、ジョセフ・カレイアなど。

1956年製作/73分/アメリカ
原題または英題:Walt Disney's The Littlest Outlaw
配給:大映
劇場公開日:1957年11月23日

ストーリー

メキシコのトレス将軍(ペドロ・アルメンダリス)は馬術が得意で立派な牧場をもっている。近く首都メキシコ・シティで開かれる国際馬術大会に出場する将軍は自分が乗るコンキスタドールという栗毛の馬を牧童頭のチャトウに訓練させていた。牧場にはチャトタウの継子で10歳になるパブリト(アンドレス・ヴェラスケス)という少年がいたが、このパブリトの大の仲良しが馬のコンキスタドールだった。コンキスタドールは素晴らしい名馬だった。しかしレンガ障害跳びだけが苦手で、町の人々はこの馬が大会で優勝するのは難しいと言っていた。これを聞いたチャトウはコンキスタドールの優勝に大金を賭けていたので、将軍に内緒で乱暴な壁障害の訓練を始めた。勿論これは失敗で馬は怯えるばかり、大会では遂に敗れてしまい将軍を失望させた。将軍にはセリタというパブリトと同年くらいの娘がいたが、ある日セリタは父の留守中コンキスタドールに乗ってレンガ障害を無理に跳ぼうとしたため落馬、足を折った。馬も脚に傷を負ったが怒った将軍はチャトウに食肉解体を命じた。驚いたパブリトは馬を連れて牧場を逃げ出し、それ以来、少年と馬は荒野をさまよい歩くことになった。が、ある日馬を探していたチャトウに見つかり、進退窮したパブリトは馬と一緒に教会の仲に入りこんだ。幸い老神父が親切な人で、翌日、闘牛を育てる牧場へ連れて行ってコンキスタドールの脚の傷を治してくれた。ところが、突如1頭の猛牛が暴れだし、驚いたコンキスタドールは、そのまま柵を越え荒野の彼方に姿を消してしまった。しかし翌朝になって馬は闘牛士のところへ誰かに売られたことがわかったのでパブリトは闘牛場へ行って見た。闘牛が始まっており見物の中にはトレス将軍もいた。パブリトは場内に潜り込んだ。と、今しも場内では目かくしされたコンキスタドールが猛牛の角に刺されようとする寸前。パブリトは夢中でリングの中に飛びこみ、馬の背にまたがるや目かくしを取り、一散に走らせた。馬はリングの高い柵を鮮やかに跳び越えて場外へ去った。その日の夕方、トレス将軍は牧場で娘のセリタにコンキスタドールの闘牛場での鮮やかなジャンプの様子を話し、馬は愛情をもって育てなければならないと語っていた。そこへコンキスタドールを連れたパブリトが現れた。少年は馬を連れ出した罪を将軍に詫びた。が、将軍は馬を少年に与え、あらためてその愛情の強さを賞めた。

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