劇場公開日 2023年8月18日

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「手強い監督」エドワード・ヤンの恋愛時代 シューテツさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5手強い監督

2023年8月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

エドワード・ヤン監督は個人的にリアルタイムで乗り遅れたので、本作で3本目の鑑賞となりますが、まだこの監督の作風的概要が掴めないままで、本作を見て益々分からなくなった気がします。
鑑賞した3作品共に傑作だと客観的には認められるのですが、テーマ性だとか作家性などの部分でまだ捉え切れない感じがしています。
特に本作を見ていて、「なんかウディ・アレンの作品みたいだな」と思って見ていたのですが、後でYOU TUBEの関連解説動画を見たら、本当に監督自身が「次は、ウディ・アレンの様な作品を作るぞ!」と言って出来上がったのがこの作品だったようです。なので、他に見た『クーリンチェ~』や『ヤンヤン~』などとあまりにも作風が違っていたので、益々エドワード・ヤンの謎が深まりました。

しかし、本作のあの膨大な情報量の台詞などをとっても、今回は意味があるのかないのか分からない様な、それこそウディ・アレンやエリック・ローメルや多くのイタリア映画などの様に、台詞量だけに圧倒されてしまうのだが、もし台詞が聞こえなくても絵だけで物語が成立するという映画作りの巧みさなどを見ると、やはり凄いと思わせる監督であることは間違いなく、至る所に人間洞察の深さ、作劇の凄さを感じてしまいました。
もう少し時間をおいてからまた見たい作品です。

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シューテツ