「観ておくべき邦画」永遠の0 ZEROさんの映画レビュー(感想・評価)
観ておくべき邦画
評判になっているのは耳にしていましたが、過去の戦争モノ邦画は
日本映画界独特のエッセンスがあって昔から興味がありませんでした。
特にWW2の物は浪花節的な演出と大物俳優さん達の出演
そしてTV局が必ず絡んで 「ハズレ無し!絶対泣けます」みたいな
広報展開に食傷気味だったんですね。
という理由からかなりフラットな気持ちで視聴しましたが・・
いや、やられましたね
気がついたら涙が自然と出ていました
テーマがテーマだけに
出演者の皆さんの気迫というか真剣さというか
もう冒頭から引き込まれました
特殊効果も素晴らしいです
そもそもSFXやVFXなんてモノは
どこで使っているのかわからない
という使い方をすべきもので
今までの邦画に関してはとてもチープな物が多いし
軽んじてる製作者が多い中で「永遠の0」は
意図もその効果の大きさもとてもよく理解できます
ただ2点だけ演出上でとても残念だなと
思ったので書き留めておきます
孫の佐伯健太郎(三浦春馬さん)が歩道橋の上で泣く場面
ここは叫びながら泣き崩れるか
それともゼロ戦を目で追いかけて遠くを見つめたまま立ちすくむ
(涙は流さないけど泣いている気持ちを表現する)
この二択だと思います
もう一点
ヤクザの親分、景浦(田中泯さん)が
孫の佐伯健太郎(三浦春馬さん)さんを抱きしめるシーン
ここは景浦の過去を考えてもハグする というのは
ちょっと安易な手法で演出しちゃったかな と
(彼の過去や宮部への想いも考えたら「ハグではない」んですよね)
序盤で井崎 (橋爪功さん)が
せっかく「愛していると言っているのと同じ事なんです」と
直接表現をする時代ではなかったと演出している事
ストーリー上、最も重要な場面である事を考えても
この場面はとても残念です
それ以外に彼の思いを健太郎に表せる
気の利いたもっといい方法が
あったんじゃないかなとと感じました
とは言えアンチエイジにも伝わる手法としては
今時はこんなもんなのかなもしれませんよねぇ・・・
最後に・・・
まず原作を読んでから映画を観て比較してしまう方の意見はアテにしないでいいかと思います。そして期待して(この場合意識的に感動を得ようとする先入観でしょうか)観た方の意見も相当の既成概念に捕らわれているので参考にしないで良いかと思います。
戦争賛美だと思う人や意図がよくわからない
リアリティがないと言う方は
過去の戦争邦画ものを観て頂くと宜しいかと思います
そして、制作会社の方には
海外での公開、そして英語字幕をつけた
DVDの発売を一刻も早くお願いしたいです
誰しもが観ておくべき内容であり
近年稀に見る邦画の名作です