劇場公開日 2013年12月21日

「空に憧れて」永遠の0 いずるさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0空に憧れて

2014年2月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

興奮

人間は多面性があるもの。
ある人は宮部のことを「臆病者だ」「卑怯者」「国の恥」と言い、ある人は「命を大切にする人」といいます。

戦時中は戦争の雰囲気に飲まれ、誰もが「自分の命は大切だ」「死にたくない」とおおっぴらに言い出せなかった。負けを予期し意識したとしても「負ける」と言うなんてもってのほか。
当時としてはありえなかった人物像です。真っ直ぐとした目で堂々と自分の意見を言い放った宮部は、戦時を経験した人にとって『理想』のような存在なのでしょう。
偶像まではいきませんが、当時ここまではっきり戦争に対して真っ向から立ち向かった人物はいないはず。誰もが心の奥に「負ける」とか「死にたくない」というマイナス意見は秘めていたはず。
はっきりものを言う宮部は、理想化されているのだけど、その理想を描いて当時を生きた人の心を昇華させるのが、物語ってものですものね。
良い映画でした。

私は戦争を経験していないので、その時生きて過ごした人たちがどのような思いで暮らしていたかは、想像するしかありません。
その想像の手助けになるような映画です。

飛行機の内部がよく映っていて、自分まで雲の間をすり抜けて飛んでいる気分になりました。
空飛びたい。

いずる