劇場公開日 2013年12月21日

「流された血を無駄にしないこと」永遠の0 ヴァルさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5流された血を無駄にしないこと

2014年1月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

怖い

宮部久蔵と言う人物は本当に臆病者だったのだろうか?
何故宮部は当時タブーとされた生きて帰ることに拘ったのだろうか?
何故宮部は最終的に特攻を志願したのだろうか?
これらの謎に迫りつつ、戦争の悲惨さも訴え掛けるような戦争ミステリー仕立ての作風が、過去の戦争映画とは一線を画すようで非常に見応えを感じました。

まあミステリー仕立てで引っ張った割に終わってみれば思いのほかストレートな内容だったので、唸らされるところまではいきませんでしたが、逆に言えばストレートだったからこそ心に響いた部分は間違いなくありましたから、基本的には見応え十分、素晴らしい映画だったと思いました。

それにしても、死にたくない、生きて帰りたいと思ってはいけない時代があったなんて、本当に恐ろしいですね。
お国の為に命を捧げるのが当たり前、たとえそれが無駄死にだと分かっていても・・・って、本当に狂った時代です。
でも、こんな時代があったからこそ今がある、それは間違いない事実。
彼らの死を無駄にしない為にも、我々は後の時代に繋げていかなければいけない、伝えていかなければいけない・・・そう改めて強く思わされました。

夏八木勲さんの魂の叫びを聞いたら、そう思わない人なんていないでしょう!
いや、他のベテラン陣の演技もそう、主演の岡田准一の鬼気迫る演技を見てもそう、各俳優陣の演技には本当に心揺さぶられました。
それプラス最新のVFX技術が加わったド迫力の映像も相まって、素晴らしい映画に仕上がったなととにかく感心させられた次第です。

まあ何にしても、日本、対戦国、いや世界中で流れた血、涙が無駄にならないような未来を望みたいものですね。

ヴァル