「よくできた映画」永遠の0 Newmanさんの映画レビュー(感想・評価)
よくできた映画
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批判的なコメントは多いが、よくできた秀作だと思う。拍手を贈りたい。私は素直に感動し、目頭を熱くした。
映画としてキャストに一切無駄がなく、登場人物一人一人に存在感がある。
宮部久蔵役の岡田准一の好演は言うまでもないが、賢一郎役の夏八木勲が非常によい。彼がもうこの世にいないのかと思うと大変悲しい。
吹石一恵と三浦春馬の姉弟は現代の若者らしくてよい。ただ、三浦春馬は、合コンでのテロ論議のときはもっと怒りをあらわにして欲しかった。あそこが、この映画のメッセージのポイントだと思うからだ。
小説でも映画でも明確な表現はなかったが、ヤクザに囲われそうになった松乃を命がけで救ったのは景浦であろう。観る人に容易に想像させるほどの迫力が田中泯にはあった。
CGについてもいろいろと議論があり、同じ絵を何度も使うのはいただけないが、まずまずのデキではないだろうか。
愚かな戦争や特攻という不毛な作戦を肯定する者はいないが、こういう思いをした人たちのおかげで現在の平和がある。多大な犠牲を払って敗戦することによって、日本は目覚めたのだという歴史を、特攻で死んでいった若者と同年代の人に是非知って欲しい。
私が観た最近の軍記物は「男たちの大和」、「山本五十六」があるが、この作品がこの中で最もメッセージ性が高いと思う。
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