「精神を崩壊させる戦争の恐ろしさ」永遠の0 オールバッカートニーさんの映画レビュー(感想・評価)
精神を崩壊させる戦争の恐ろしさ
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家族を愛する心と戦争でボロボロになってしまった精神。
この映画は伏線が多くあり、大変知的な映画であったが、唯一残された疑問、それは
「なぜ、誰よりも命を尊んだ宮部が不具合のあることを察知した機体に大石を乗せて家族を託し、自らは特攻に向かったのか」
という点である。自らがその機体に乗り、戻って生き残るという選択肢もあったのではないだろうか。
しかし、誰よりも家族を愛し、命を尊んできた宮部がその選択を選んだ姿こそ、いかに戦争が人の精神を蝕む悲惨なものであるかを物語っていたと私は感じた。恐らく、あの宮部の最後の憔悴しきった姿を見ると、教え子たちが自らを差し置いて次々と死んでいくことに耐えられなかったのだろう。
感動という表面的な感情以上に、その裏にある強烈なメッセージ性に感銘を受けた映画だった。
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