「良作だけど、エンタメの限界」永遠の0 hanakentaroさんの映画レビュー(感想・評価)
良作だけど、エンタメの限界
美しく、素晴らしい作品。
ただし、映画だけで終えてしまうと誤解する作品。
映画としてはうまくまとめているし、映像もキレイ。
ただ、「あの戦争とは」「なぜ特攻なのか」といった大きな背景があの時間では描けないことと、「製作費を回収する義務」がある映画が持つ宿命=「万人受けする+敵を作らない」ための小説からの設定変更が本作を浅いものにしたことは否めないと思う。
この映画に高評価をつけている人、これから観に行きよかったと思う人は、ぜひ原作を読んでほしい。
加えて、原作に挙げられた参考文献を少しでも知ってほしい。
それが、この作品に「エンタメ」以上の価値あるいは★5つを超える意味を持たせることになると思います。
映像が格好いい、出演者が好き、音楽が好き、暇つぶし・・・。
どんな理由で観に来たにせよ、この作品を観て良かったと思う人には、フィクションの「宮部久蔵」の裏に、たった70年前の日本人が何をし、どう生きたかをもう一歩深く考えてもらうと、この映画は真の価値が出る気がします。
逆にそういうことを考えるのは苦手とか、本作は戦争賛美で許せない、と思った方は、私のレビューなど無視してください。
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