「繋がる」永遠の0 みかずきさんの映画レビュー(感想・評価)
繋がる
ベストセラーが原作の場合、期待し過ぎて裏切られることが多いので、原作を読まず、本作情報も収集せず、極力、先入観を排除して鑑賞した。
本作は、太平洋戦争中、家族を守る為に生き残ることを貫こうとした凄腕のゼロ戦パイロット・宮部久蔵の半生を壮大なスケールで描いた感動作品である。設定は現代であり、孫が祖父である宮部の戦友を訪ね、戦友が語り部となり、最初は臆病者と揶揄された宮部の生き方が徐々に解き明かされていく。
戦友を語り部とすることで、戦友や孫が生きる現代の目線で、客観的に、戦争の不条理、宮部の生き方を捉えることができる。戦友の語りがそれぞれ小さなエピソードとなっていて、エピソードとエピソードが螺旋状につながって、我々を徐々に宮部の生き方の核心に導いてくれる。また、太平洋戦争を史実に基づき丁寧に描くことで、戦争の不条理と宮部の生き方が対比され、際立ってくる。戦争を通して、生きることの意味を真摯に問い掛けている。
宮部は主人公であるが、多くを語らず、彼の選択した生き方の背景、根拠は説明されない。我々は彼の行動の真意を映像表現から推測するしかない。想像するしかない。不親切とも思えるが、本来、映像表現で我々にメッセージを伝えるのが映画の醍醐味であり、余分な説明を排除したことが、却って作品に深みを与える結果になっている。
ラストシーン。人間の命、その生き方は仲間や家族を媒体にして永遠に受け継がれるという本作のメッセージが凝縮されていて、とても感動的であった。観終わって劇場内が明るくなっても暫く席を立つことができなかった。
永遠の0というタイトルが秀逸である。何故、零でもゼロでもなく0なのか疑問だったが、観終わって、0という数字は、命/生き方は永遠に繋がっていくものだということを示唆していると理解できた。戦争を知らない人達に是非観てもらいたい作品である。
レビュー拝読しまして感動しております。作品紹介やあらすじなどよりよく理解できます。ありがとうございます。
最後戦闘機を替えたのは、らしい、という事であり孫たちも誇りを持てた、という事ですが、残念と思ってしまいます。これもレビューしてないです。
今晩は。
拝読しました。流石です。
で、私のレビューを見ようとしたら、レビューがない。オカシイナア。せっかくだから、配信で再鑑賞し、レビューを上げます。パンフレットもあるのに。因みに後年、私は今作品の原作者が余り好きでは無くなりましたよ。では。