「戦争は自己犠牲の強制」永遠の0 Gustav (グスタフ)さんの映画レビュー(感想・評価)
戦争は自己犠牲の強制
太平洋戦争の最大の被害者である若き特攻隊員の自己犠牲をドラマチックに描いた感動作。日本映画が漸く一方的な戦争批判の呪縛から解放された視点が興味深い。日本の陸海軍内部の構造不備が一番の問題であろうが、負ける戦争に突入した当時の日本人一人ひとりの責任が大きい。原作では戦争を煽った新聞社の責任を扱うが、映画はそこをカットしている。あくまで戦争に命を捧げる悲劇の物語になっている。ただ、山崎貴の過剰な演出が最期を台無しにしている。男の俳優は軍服姿になれば誰でも様になる。問題は、普段着の男優をどれだけ魅せるかに演出の是非がある。三浦春馬の演出に最も力を入れなければいけない映画なのに、単なる感情の絶叫ではそれを放棄したことになる。岡田准一、染谷将太の演技は素晴らしい。特に岡田准一のヒーロー像は唯一無二のカッコよさであった。
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