劇場公開日 2013年5月3日

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死霊のはらわた : 映画評論・批評

2013年4月30日更新

2013年5月3日より新宿ピカデリーほかにてロードショー

シリアス過激化路線を極めたカルト・ホラーのリメイク

筆者のようなホラー映画ファンは「血みどろ残虐描写は何でも好きなんでしょ?」と思われがちだが、実はそうではない。冗談のような残虐描写や呆気にとられるような残虐描写は大好きだが、残虐性のみを激しくリアルに追求するホラーは正直苦手だ。とりわけ痛覚を呼び覚ます人体損傷シーンを大写しにするのは、なるべくご勘弁願いたい。

こんな個人的弱みをあえて告白したのは、1981年の「死霊のはらわた」と今回のリメイク版の違いが、まさにその点に関わっているからだ。驚いたことに、本作には“ドラマ”がある。ヒロインのミアはドラッグ依存症で、その兄や友人らが彼女の治療のために山小屋を訪れるという設定からしてシリアスだ。

オリジナルへのオマージュは随所に見られるが、中盤以降の血まみれ描写はもはや別次元の凄まじさ。ナタや釘打ち機といった山小屋にありそうな工具類は、ひたすら登場人物の身体を傷つけるために投入され、作り手はその残虐性を最大限に強調し、想像を絶する量の血糊でスクリーンを染め上げていく。オリジナル版には想像力をかき立てる不条理な禍々しさ、悪夢的光景を驚きや笑いに変えるユーモア、チープさを逆手に取った冒険心がみなぎっていた。これらの要素が欠落した本作は、その代わりに特殊メイクであることを忘れさせるほど生々しく切り裂かれる腕や舌、赤い吐瀉物などを容赦なく見せつけてくる。しかも演出力も特殊メイクも極めてレベルが高いだけに、繊細な感性を持つホラー・ファンとしては悩ましいところだ。サム・ライミならぬマイケル・ベイ製作かと見紛うこの過激化路線、観客の反応は賛否真っ二つに割れるのではなかろうか。

高橋諭治

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