「米軍の宣伝映画ですな、これは。」キャプテン・フィリップス お水汲み当番さんの映画レビュー(感想・評価)
米軍の宣伝映画ですな、これは。
ソマリアで海賊がコンテナ船を乗っ取るものの、乗っ取りが半ば失敗だったことを悟り、救命船で逃げ帰ろうとする海賊によってコンテナ船の船長は人質として連れ去られます。
しかし全知全能の米軍の「活躍」(というよりも陰謀と言うべきだと思いますが……)によって、海賊どもはやっつけられ、船長は無事に救出されるという映画です。
めでたしめでたし。
米海軍の全面協力なので、宣伝映画だと思えば良いのかも知れませんが、それにしても「米軍が悪党と認定した相手に対しては、どんな嘘をつくことも許されるし、最初から皆殺しにする前提でいても許される」みたいなメンタリティには、辟易とさせられます。
ストーリーとしても、引き伸ばされ引き伸ばされて薄っぺらい話だとしか言えません。
実録物の弱みがモロに出ているという感じです。
アメリカ人にとっては、こういう船長であっても「英雄」としてもてはやされるというのが、私には不思議です。
だって私は日本人なものですから。
ベトナムで捕虜となって生還しただけで英雄と言われ、上院に当選し、大統領の有力候補にまでなってしまう人がいる米国と、生きて捕虜になることを恥辱と感じる日本の差っていうんでしょうか。
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