「現実の海賊」キャプテン・フィリップス everglazeさんの映画レビュー(感想・評価)
現実の海賊
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冒頭では、真面目で少々堅物にも見えるCaptain Phillips。タンカーでソマリア沖航海を前に、海賊対策の訓練中(実際は防災訓練中だったとのこと)、本当に海賊に襲撃されます。
どんな状況でも努めて冷静沈着であり、判断力、観察力を維持していた彼も、家族宛てにこっそり書いていた手紙を取り上げられた瞬間、我慢の糸が切れてしまった所が印象的でした。終盤のHanksの演技が涙を誘います。
そもそももっと早く護衛にかけつけていれば、ここまでの惨事にはならなかったのですが…。(MTOの対応が酷いですが、その航海ルートからアラバマ号自体が怪しまれたようなモニターの演出でした。実際、より短距離の航海のために、危険とされるソマリア海岸線に単独で近付き過ぎていたとのことです。)
海賊側も、貨物船側も、救出側も、ある程度状況を想定して計画や訓練をしており、場数を踏んでいるだなと思いました。貨物の一部はソマリア行きの支援物資であるタンカーが狙われる時点で、支援が行き届いていないという問題の深さが浮かび上がります。魚でなくて人を捕る漁師。海賊募集の際、仕事が欲しければ金を持ってこいと言っているのに驚きました。
Museは皮肉にも結果的に渡米出来ましたが…。
ムショ暮らしの方が少なくとも食べ物には困らなそうですけれど、きっと囚人達の新たな上下関係が彼を待ち受けているのでしょう。
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