エリジウムのレビュー・感想・評価
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楽園
圧巻です
すごい世界観でした。
荒廃した地球は変な感じではなく、未来的でありながらリアルです。
エリジウムも最高に美しかったです。
また外見もすごくいい(笑)
『第9地区』の監督と言うことで、世界観の細部までこだわりを感じました。
しかし、終始駆け足で詰め込みすぎです。
あと次の展開が簡単に読めてしまうのが残念でした。
主人公が装着する強化外骨格も、とてもリアリティに満ちあふれていました。
超人的な戦いなどはなく、あくまで強化外骨格をつけてなんとか持ちこたえている感じで良かったです。
『第9地区』で大成功を収めたおかげで、今回はキャストが豪華でした。
相変わらずシャルト・コプリーは出演しているのですが、チョイ役かと思いきや、思いっきり悪役(笑)
スゴく良かったです(笑)
終始駆け足なのが本当に残念でしたね。
地球編、エリジウム編。みたいな感じで二部作にした方が絶対良かったと思います。
それでも満足できたので4.0で
不自然な点が多かった気がします。
映像と設定はとてもよかったと思います。
しかし不自然な点も多かったです
一番に思ったのは、貧困層の主人公が富裕層のエリジウムに行くのに、そこに立ちはだかるのはなぜか貧困層のクルーザーだということです。
しかも、エリジウムの警備はかなり甘いもので、簡単に行けるし、簡単に住宅に侵入できます。不自然な点が多かったのが残念です。
面白かった
設定もよく面白かったですが、アーマー?をつけた後の強くなった感が、少し小さいと思いました。ですがそれ以外はよく、最後に主人公が死んでしまうのにはビックリしました!見て損は無いと思います。
未来のキリスト?
自らの命で人々を救うマックス、未来のキリストの物語?貧しい移民と支配層、現代のアメリカを暗喩してるのかな。
アメリカ映画は宗教的バックボーンから観ると面白いかも。
メカ、愛でる人へ・・・。
エデン、シャングリラ、桃源郷、アトランティスにエルドラド・・・。
かつては日本も黄金の国「ジパング」と紹介された。
人は心のどこかでユートピアの物語を望む。
同時にそれは滅びの文脈を内包する。
未来惑星ザルドスを想い出す。
ニール・ブロムカンプ、第9地区以来の作品。
12モンキーズやトータルリコールを想い出すプロット、シーンも多いけれど、メカや銃器の愛があふれていて見ていて飽きない。
メカ愛でる人よ、惜しみない映像をご覧あれ。
ほらあれ、ぶっとい銃とか、ごんぶとエネルギー銃とか、好きでショ(笑)
主演はマットデイモン。
すごいです。また体造ってきました。
この人ほんとすごい!デブからマッチョ、何でもできる。(ん?全部デブ???)
いや、ほんとすごいんだから。
共演は第9地区での盟友、シャトルコプリー。
この人、第9地区のセリフ、全部アドリブらしい・・・。
物語は・・・。
マットデイモンは劇中で怪我はするわ5日しか寿命がないわで大変です。
終始苦汁の表情を浮かべた演技が素敵です。
この苦渋の演技に対比を出す瞬間。
物語の要と言えるでしょう。
なかなか面白い作品ですよ。
しかし、最近のSF作品は何故必ずエピソード1にオマージュなのだ???
強弱がある
監督が同じだからか第9地区と雰囲気が似ていた。手榴弾がたくさん出てきて爆発して肉が飛び散りながら死ぬのが多かった。地球の荒廃ぶりとエリジウムの(CGの)綺麗さが対照的で良かった。エリジウムの形が魅力的だった。他のSFには無い感じ。
エルジウム
最初から最後までエリジウムの酸素がどうなってるのか気になってなりませんでした。
まあ考えてもしゃあないけど、いい加減地球滅亡っていうかアメリカ滅亡系やめてほしいです。
久々出てきたジュディ・フォスターも早い段階で死んじゃうし・・・星飛雄馬みたいなギアも説明なくよくわからなかった。
大体好きな女が知らない間に他の男と子供作っててなんで助けるんだろう??
色々矛盾する点がありすぎる。CG使い過ぎ
残念な映画だった
この映画を見た理由は、とにかくマット・デイモンが主演だったからである。
彼が必殺暗殺者かつ逃亡者のジェイソン・ボーンとして主演する「ボーンシリーズ3部作(アイデンティティー、スプレマシー、アルティメイタム)」は忘れられない作品だ。
おかげで、昨年はボーン・アルティメイタムという、いかにもジェイソン・ボーンが出るように思わせる作品があった。この作品では彼(ジェイソン・ボーン)自体は、TV画面に顔が写真で写っただけという出演の仕方をしているだけであった。
昔、スチーブン・セガールが出るというので観に行った「エグゼクティブ・デシジョン」という映画があった。カートラッセルと競演という映画だったが、その映画では、ハイジャックされた飛行機を特殊部隊が救援に行くという設定で、冒頭のシーンでセガールは乗り移るのに失敗して外に飛ばされていってしまった(そのまま終わり)。
上記のとおり、マット・デイモンのボーンシリーズは終わってしまっているが、その後、彼は「ヒアアフター」で霊能力者を演じ、ついには大統領になることを運命づけられた男を演じた「アジャストメント」など、ファンとして感情移入できる風格のある役を演じてきた。
それが今回のエリジウムで演じるのは、死にかけた犯罪歴のある、ただの工場労働者の男である。彼は、富民層が住む地球上空にあるスペースコロニー“エリジウム”の医療設備(ポッド)で治療したいがために、何の展望も無しに地球脱出を試みる。
この映画で感心したのは、公開前の予告宣伝部分の映像のみで、実際のストーリーとしての本作品を観てみると、その作りの粗さにただあきれた。
「第九地区」のように、誰もが描かない設定であれば、評価されるかもしれない。しかし、貧富の差が生死を分けるという設定は、別に現実の世界そのもので珍しくもない(「タイム」では、人間の寿命と貨幣価値がリンクしているのがユニークな設定だったが)。
結局、この映画では、ストーリー、映像において、観客を説得(納得)させる試みというか丁寧さを欠いている。
つまり、映画において、主人公は死なないとか、圧倒的な敵の前には、通常では絶対勝てないはず、といった類の都合のよさには文句を言うつもりはない。
しかしながら、「普通そういう場合(設定で)、そういう行動はとらないだろう」という、ありえない場面のオンパレードで、作り手が勝手に作りたいように作っているだけという、「いいかげんさ」というか「乱暴さ」を感じてならない。
不自然な理由1 支配層を守るべき警察組織、軍隊組織のプロ集団がいない。
不自然な理由2 ジョディ・フォスター演じる長官(権力者)が、ならず者(使い捨て駒)のエージェントに直接、指示を出したり接触したりで、最後にはいとも簡単に襲われ、殺されてしまうなどあり得ない設定だ。
不自然な理由3 ヒーローでも、職業プロの軍人でも警察でもない主人公が、悪役と格闘して勝つという設定に意味を感じない。宣伝にも使われている補助スーツは戦うためのツールではなく、弱っていてまともに動けない主人公を歩けるようにするためのものにすぎない。
「エイリアン」で、シガニー・ウィーバーがエイリアンと戦うために、重機を戦闘ツール代わりにしたのとは意味が違う。
最後のオチの解決法も、ハッピーエンドだからよいというわけでもあるまい。
そんなことで貧富の差の問題が解決してしまうはずがない。あまりに子供だましの手法で、浅はかすぎる。
ジョージルーカスなどが学生時代に作った映画というように、有名になる前のアマチュア時代に低予算で作った映画ということなら納得するが、とても人材と資本を投入して作った(作るべき)映画とは思えなかった。
ダイハード3などのように、緻密で実際の犯行記録映画のような作りでも楽しくないが、何か楽しませたり、訴えかけたり、感心させてくれる要素の乏しい映画であった。
さらに言うならば、マット・デイモンが坊主頭になってまで出演するべき映画ではない。
この映画は、DVDでの鑑賞で十分な映画である
宇宙で故郷の夢を見る
『第9地区』そして本作『エリジウム』の2作品を観て
ニール・プロムガンプ監督がズバ抜けていると感じる点は、
社会的テーマと怒涛のアクションを同居させるその手腕。
『第9地区』の根底にあったのは人種差別への痛烈な批判だったと思うが、今回は貧富の格差、そして人口爆発について語られている。
白い屋敷に緑の芝生に真っ青なプールにハイソな人々と、『エリジウム』で描かれる富裕層のイメージは正直言って陳腐。
だが、ここで語られている理想郷のキモは恐らくそこじゃない。
この映画で地球の人々が最も求めているのは、金銭や地位ではなく、医療を初めとした生活保護だ。
十分な医療を受けられず死んでいく“持たざる者”とそれらを独占する富裕層すなわち“持つ者”との衝突。
現実に、日本なら薬を飲んで3日で治るような病気で子ども達が死んでいく国がある。
いや、日本にだってそんな環境に置かれた子ども達はいるのだろう。
「生きたいと願う人々に差し伸べる手が、世の中にもう少しあったっていいんじゃないか?
僕らはもう少し優しくする事ができるんじゃないのか?」
監督から、そんな事を言われているように思えてならなかった。
そんな重いテーマを、質の高いアクションを織り混ぜて一気呵成に見せるこの豪腕ぶり!
この監督の撮るアクションは、泥臭くて混沌とした画作りに見えてそのくせ、しっかりとしたケレン味も感じさせる。
スローの巧みな使い所、緩急の間、感情を挟み込ませる巧さなど色々あるがともかく、
リアルとケレンという相反する要素を両立させるというのはかなりの離れ業だと個人的には思う。
なんつうか、近未来のメカ造形も含めてアクション全盛期の頃のジェームズ・キャメロンに近いものを感じる。
その近未来SFなギミックの数々もたまらない。
ワイドショーなどでもちょくちょく見掛ける
作業アシスト用のスーツを強力にしたような“エクソスーツ”、
人の脳をメモリにして電子データを記憶させる技術、
カラシニコフライフルをベースにした超火力の自動小銃、
成層圏まで届くロケットランチャー!(これが一番ビビった)
この『100年後ならホントにありそう』という、リアルで泥臭い
肌触りが良い。
ただ、難点はある。
スラムの描写や戦闘・ギミックなどの『泥臭さ』を感じる部分は見事なのだが、
理想郷エリジウムに関する部分となるとガクンとリアリティが落ちる。
富裕層のありきたり過ぎるイメージや、エリジウムに舞台を移してからの展開があまりにせわしない点などは気になるし、
主人公がエリジウムに潜入する方法自体もやや強引だった。
終盤で起こるクーデターに関する部分も……たった3人の傭兵に
クーデター起こされてあそこまで危なくなるなんて、ちょいと守備が甘すぎやしませんこと。
思うに、エリジウムが魅力的に見えないのは、
監督自身がそもそもあの環境に憧れを抱いていないからかもしれない。
権力に対する怒りと虐げられた人々への優しい眼差し。
それが彼の根底にあるのなら、富裕層を魅力的に描くのは実は彼にとって難しい作業なのかもね。
あの哀しく優しい結末。
地球から見た天国に憧れ続けた男が、天国から見た地球に憧れるというラスト。
主人公が最期に追い求めた理想郷は、恋人や仲間と夢を思い描きながら生きた故郷の地だった。
故郷で職が無くてはるばる日本までやってくる外国の人って多い。彼らもきっと、故郷の夢を見るんだろう。
全然レベルが違うが、地元・九州に職が無くて静岡まで出稼ぎに来てる自分にも少し思う所はある。
叶うのなら、故郷が豊かになって、そこで皆で生きて死ねるのが最上だと思う次第。
〈2013.9.21鑑賞〉
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追記1:
人口爆発というテーマについて何ら答えがないという
意見の方も見掛けたが、そもそもこんな重い問いに
万人が納得するような解決策なんて存在しないだろう。
『生きよう/生かそう』とする意志は誰にも否定できないし、
自らの生活を守るために他者を排除する側の論理も見方に
よっては正義だ。どっちが悪いかなんて誰に言える。
良いか悪いか、解決できるかできないかは関係なく、
人が増え続けていくのは不可避な現実なのだと思う。
追記2:
役者について全く触れていなかったが、
主演マット・デイモンが良い意味でヒーローっぽくない。一市民がもがいているように見える点が良い。
にしても彼っていつの間にこんなアクション引っ張りダコな俳優になったんだろ。
個人的には未だに青春映画のイメージが強いのだけれど。
そうそう、ハイエナのような笑みを浮かべる狂人シャルト・コプリーも最高だった。
近寄っただけで血の臭いが漂ってくるような悪辣ぶり!
梅花が舞う中で日本刀を振りかざす彼の勇姿を見よッ!(笑)
エリジウムの描写があっさり
設定は面白そうだと思ったんですが、タイトルに冠されているエリジウムの描写が薄いなあ…と。
地球の貧民街の猥雑な感じは、監督の前作「第9地区」のスラムも彷彿とさせる描写力でさすがで、想像していたよりもそこでの戦いがほとんど。シャールト・コプリーが演じているクルーガーとの戦いもだいたいが地球。
エリジウムも徹底管理された社会というわりに、迎撃システムとかザルすぎない?とツッコミたくなるのだけど…。スペースコロニーなのに密閉されてないデザインとかは目新しかったですが(どうやって気密性保ってるんだろう)。どんな病気でも一瞬でも治してしまうほどだから、寿命も長そうだし(死なない?)、エリジウムの社会システムももう少し描いてくれると面白かったかなあと思いました。
ジョディ・フォスターのデラコート長官も、あのエリジウム社会では異質な過激な性質の持ち主のようだったけど、どうしてそうなったのかとか。ドラマがなく、わりとあっけなく御臨終。
そう思ってここのサイトの映画評論を読んだら、なるほど監督が結局あんまりそっちには興味なかったのか…というところで納得しました(笑)。確かにそれなら次はもっと吹っ切れて作ってほしいですね。
ちょっと期待外れ
『第9地区』が大傑作だったため、それと同等かそれ以上のものを期待してしまったために、この作品が知的風な装いなだけのB級SFアクションだったのでがっかりした。真面目に見なければけっこう面白かったかもしれない。
ただスラムをもっとじっくり描いて欲しかったのと、GTRのカーアクションがもっと見たかった。
自己か地球か。
あの「第9地区」の監督ということで大いに期待して観てみた。
が、う~ん。悪いけどゼンゼン違う、というのが正直な感想。
富裕層と貧困層という描き方が現在流行っているのかどうか、
少し前からこういう設定の作品ばかり作られている気がする。
監督のことだから(アフリカ出身)当然、貧困層重視だろう!と
思ったらやっぱりそうだった。というより貧困世界ばっかり。
富裕層の描き方がエラくぞんざいで、あんな所へ行きたい?
と思うくらい魅力がない。強いていえば病気が治せるからだ。
その病気を治すという目的からも貧困率がUPコントロールされ
ツル禿げになったマットが右往左往する状態にも哀れさを増す。
魅力がないといえば、かのJ・フォスターを本人の希望で据えた
という長官役にもまったく魅力がなかった。(ワザとだろうか)
暴力的な支配者にして彼女特有の頭脳明晰指数が顔面を覆い、
もっと頭使うよなー。あれだけの立場ならさぁー。とうがって
観ているうちに、エ~!?何だそれ、という勿体ない終わり方。
大女優をそんなんでいいんだ?と思うと、もうあとはサッサと
気持ちを切り替えられるからいいのだが、何がやりたくて出演
したのかをちょっと聞いてみたい気さえする。
前作でエビ化する職員でバカ市民(ゴメンね)を演じたコプリー氏。
おぉ!悪役なんだ?と思いながらどこかで笑わせてくれるんじゃ
ないかとつい期待してしまった(装着するあたりかしら)
この二人、その富裕層が暮らすスペースコロニー関係の人なのに、
ゼンゼン幸せそうじゃないからすごい。
むしろ荒廃した地球で子供たちとふざけるマットの方が幸せそう。
一体どっちを賛美しているのか。
そこで一躍脚光を浴びているのが、闇商人の絶大な存在感。
いちばん悪そうな奴らが必死に住民を送り込もうと頑張る姿が
いちばん胸に焼きつくのだ。何なんだろうね、このメッセージ性。
(あぁクリストファー・ジョンソンに逢いたい!助けに来なさいよー)
二作目もおもしろかった。
あの『第9地区』監督の二作目ということで、不安と期待の入り混じりながら観に行きました。
今作は貧富の差に別れた人間同士の争いということで、真正面から人間ドラマに挑んでいる姿勢はなかなか良いと思います。
とはいえ、貧民層がギュウギュウ詰めの高層ビルに暮らしていたり、その遥か衛星軌道上にある富裕層の暮らすエリジウムが、地表からだと青白い月のように見えるなど、『第9地区』を彷彿とさせるシーンがある辺り心憎いです。
キャラクターは適度な人数で、それなりに個性分けされていましたが、群を抜いてイカしていたのが『第9地区』で主人公を演じていたシャールト・コプリー演じるクルーガーで、前作の憂さを晴らすような暴れっぷりは、怖いを通り越して清清しい感じさえしました。
登場するメカに関しては、いかにも工業製品っぽいロボットに外骨格剥き出しのパワードスーツなどいい意味でアナログかつB級度満載で、見ていてニヤニヤが止まりませんでした。
ストーリーに特に捻りはありませんが、その分とってもわかりやすいですし、主人公のマックスが下す決断にはちょっとうるっときちゃいます。また上映時間は二時間以内に収まっているので、 とっても見やすいです。やっぱり劇場で見る映画は二時間が丁度いいですね。
まだ迷っている方は観て損はないと思います。マッド・デイモン主演なのでデートムービーとしても最適かと。
きれいはきたない、きたないはきれい。闇と汚れの中を飛ぼう。
大好きなエビ親子(第9地区)も出てないし
マット・デーモンの坊主頭、正直微妙っちゃ微妙だし
ちょっと設定のツメ甘いんじゃ?って所もあるし
「第9地区」には無かった説教臭い部分もあるし
宇宙を舞台にしている割には
偉くなりたいっていう野望(長官:ジョディ・フォスター)と
生き延びたいっていう切望(主人公:マット・デイモン)の
個人的な動機が中心で、ちっちゃい話だなとも思ったし(その小ささが長所でもあるけど)
いろいろと不満はあるのだが「第9地区」に引き続き、不覚にも泣いてしまった…
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ブロムカンプ監督は
バーホーベン的な諧謔と、キャメロン的な王道、その両方を持っている。
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この監督は、貧困や暴力溢れるディストピアを
「カワイソウだよねー」などという上から目線では絶対に描かない。
同情も批判も加えず、諧謔的に描く。
言葉よりも映像で描く。
ボロボロの密輸船を、埃舞うスラムを、タトゥーと血にまみれた男たちを、ありったけの力で描く。
「キタナイですけど何か文句でもッ!?」と逆ギレ気味の迫力で描いていく。
その迫力に無理矢理押されて
優雅なエリジウムよりも、地球の方が美しく見えてくる。
そして美しいはずのエリジウムがオゾマシク見えてくる。
「世界の意味を反転させる」
という喧嘩上等な心意気にグっとくるんである。
この心意気の前では、細かい欠点など吹き飛んでしまう。「きれいはきたない、きたないはきれい」そんなマクベスな映画を見せてもらえるだけで、個人的にはもう充分満足である。
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そして登場人物の
ナチュラル・ボーン・下衆のクルーガー(シャルト・コプリー)がイイ。
長官(ジョディ・フォスター)の静かなマッドネスぶりもイイ。
二人とも悪人であるが、それよりも
差別的なシステムと知りつつ涼しい顔でキレイゴト言ってる他のエリジウムの人たちのほうがよっぽど極悪な訳で。
クルーガーがエリジウムの本部みたいな所に爆弾投げ込むシーンで、
行けっ!クルーガー!!エリジウムなんてシステムぶっ潰せ!!と思ってしまった。
ここでも世界は反転している。分かりやすい悪の方がまだマシなんである。
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ブロムカンプ監督は、それだけではなく、ちゃんとベタな結末も用意している。
個人的な動機にスポットを当てるという王道な描写も、衒い無くやってのける。
「個人の良心」なんていう分かりやすいテーマを、今時あんな堂々と描けるのも立派なもんである。
ベタさを発動すると絶対に「ありきたり、単純」っていう批判を浴びる。
そんな批判を恐れない度胸と自信がイイ。それでこそのエンターテインメントじゃないかと思う。
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ブロムカンプ監督は、喧嘩上等なバーホーベン的諧謔を、キャメロン的な王道さで包んでみせた。その両方に迫られて、気付いたら泣いてた。
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追記:
この映画観てからしばらくたって、これって未来の話じゃなくて身近な話だよなあってシミジミ思った。
医療とか介護とか自分の老い先とか身につまされる。エリジウムみたいな豪華な老人ホームをテレビで紹介してたけど、そこに入りたいかどうかは微妙だなあと思ってみたり(っていうか入れないし、きっと)。
そんな辛気くさい感想になってしまって、ごめんブロムカンプと思った。
何か物足りない
「エリジウム」に暮らす富裕層と地球に残された貧困層に二分された格差社会で、マット・デイモンが演じる元犯罪者が自らの命を賭けて格差のない平等で自由な社会を実現するというのが基本的なストーリーです。監督が南アフリカ出身ということが背景にあると思いますが、このような主張が前面に出てはいないので、SFアクション映画としてそれなりに楽しめます。ただ、設定は面白いのですが、ストーリーとしてはありきたりで結末も予想できてしまうので、何か物足りない感じがします。
エリジウムとは死後の楽園⁈
151年後の貧民の住む地球と地球の外に造られた富豪の住む巨大な人工衛星エリジウムが舞台です。
瞬時に傷や病気を治せるマシーンが登場しますが、まさに格差社会で、エリジウムに住む人しか治療を受けれず、地球に住む貧民は、エリジウムの住民IDを取得しない限り、治療を受けれません。
現代のアメリカの格差社会と医療制度への風刺映画らしいです。
もちろん、アクションシーンや特撮も最高でした。
最後に、エリジウムのメインコンピューターを再起動させると同時に地球の住民もエリジウム市民だとプログラミングを書き変えると、ロボット達が、医療機器を持って一斉に地球に治療に向かうシーンは面白かったです。
ロボットは、プログラミング次第で敵にも味方になることを感じました。
残念だったのは、いくら高度な医療でも、放射線被爆の治療は不可能だった事です。
それと、日産の現行の GTーRが151年後の世界をボロボロの姿で疾走するシーンがカッコ良かったです。
南アの天才監督が描く本格派SF
「第9地区」において既に天才の片鱗を見せていた南ア出身の監督、ニール・ブロムカンプであるが、当作品「エリジウム」において既にその天才路線は万難を排したものとなったと言って良いであろう。
環境汚染によって劣悪な環境に変貌した地球と超富裕層が住むスタンフォード・トーラス型スペースコロニーの対峙という究極のSF設定だけでも、既に星雲賞だかネヴュラ賞が取れてしまいそうな勢いである。
本作品のSF的良さは他にもある。シャルト・コプリー演じる傭兵クルーガーとマット・デイモン演じる主人公マックスの間で行われるサイボーグ・ニンジャ・アクションだ。地対宇宙ロケットランチャーやエグゾスケルトン、電磁シールド、電磁加速銃(レールガン)などフューチャーウエポン満載で行われる小汚いサイボーグ・オッサン共のガッチガチのドツキあいは、SFファンならその映像だけで満足できるに違いない。
他にも小汚いスラムにまるで路線バスのように現れるきったないスペースプレーンや宇宙コロニーのコンセプトデザインなどはあのブレードランナーでお馴染みのシド・ミードが行っている。SF映画ファンは必見であろう。
だが、この作品の魅力はそれだけに止まらない。物語上に流れる富裕層vs貧困層という究極の対立の構図は、今まさに存在する格差社会をを映し出している。
この物語にそういった社会問題の有益な提言は存在しない。だが、SFアクションを通して現代の社会的病理を指摘するというSFの持つ本来の意義を体言している点において、この作品は優秀ではないだろうか。
ジョディ・フォスター、アリシー・ブラガ、ウィリアム・フィクナー、ファラン・タヒールなど実力あるキャスト各々の好演も見所の一つだろう。
これだけの多要素を上映時間極めて綺麗に、しかもたったの109分に収めきったブロムカンプ監督の手腕たるやまさに見事の一言。
この作品こそ一級のエンターテインメントの名にふさわしいと言えよう。
スラムを描いたら右に出るもの無し
「第9区」のスラム街を、地球にスケールアップして、帰ってきました!
予告では「永遠の命」的なフレーズで、それがすごそうな感じだったが、そこはただの設定にしかなっておらず、ずいぶん端折られた感。
地球に住む人と、エリジウムに住む人が、なんでこうもくっきりと別れてしまったとか、精神的なものとか、そんなエピソードがもっとあっても良かった気がする。
設定と進行に安直なところはあるかもしれないが、それを差し引いても、とても楽しめた。
しかし、あんなに簡単に悪いところが治ったら、人類あふれかえって、滅ぶね。
あ〜それが差別が起きた原因なのか。であればこの後は大変なことになっちゃうね。
まあともかく監督の次回作にも期待!
マットデイモンVS忍者
また第9地区の世界観が観れるのか!
そんな期待を胸に鑑賞。
よかったーすごくよかったー。
マットデイモンが本当についていなくて心が痛くなった。
仕事行こうとしたら腕折られて、仕事場では放射線を浴び、エリジウム行くための仕事のために体に鉄くずくっつけられて、友達殺されたあげくナイフで刺されて…
発達した未来、犠牲の上に浮く巨大な輪。
今の世界にだってあの輪が浮いてるよ。
最後に、医療ポッド一台くらい地球にわけれ!
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