ザ・クリミナル 合衆国の陰謀のレビュー・感想・評価
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スパイものとアメリカの法廷でのやりとりの二つが面白かった。
最初に一つ言いたい。主役のケイト・ベッキンセイルは美しく、スレンダーなボディで素晴らしい。ただ、日本語の声優の声が少し小さくて、物足りなかった。この点が良ければ採点は「4.5」だった。
それと、この映画は「プレイム事件」と言う事実をもとに作られたフィクションの作品である。
ストーリーとしては、「国民の知る権利のためにマスコミが情報を流す」と言う事と「国家機密を守るため、検察がマスコミを叩く」と言う構図か。
最後のほうに、主役が裁判官のおかげで釈放されたが、検察がでっちあげ(?)の法廷侮辱罪で主役の女性を逮捕した。アメリカでは確たる証拠が無くても、強引に逮捕することがあるから「よくあることだな」と感じた。
例えば、ケネディ大統領暗殺事件を担当したジム・ギャリソン判事(?)は、いかさまの罪で何度も、しかも家族の前でさえ逮捕されてる。FBIなどが「逮捕する」と決めたら、その時点で100%逮捕される。この件は、落合信彦の『2039年の真実』に出てくるから、知りたい方はどうぞ。
話しがそれたが、エンディングでCIAの情報提供者が、主役の女性記者の子供と同じ学校に通う女の子だったと言うのは意外性があった。女の子の母親がCIAのエージェントで、CIAの母親→娘→主役(サン・タイムズと言う新聞の記者)と情報が流れて行った。
一つ、疑問なのは情報源の子供の名前を最後まで明かさなかったが、子供が情報源なら明かしてもよかったのでは?と思った。その時点で子供のCIAの母親は異常者に射殺されてるから、問題無いし、子供なら裁判でも罪にならないのではないかと。まぁ、ただし、その子供は人生をぶち壊されるだろうけど。
国家権力に潰された女
サンテレビ「シネマスタジアム」で鑑賞。
実際の事件を元に、表現の自由を巡って国家権力と戦った女性記者の数奇な運命を重厚な語り口で綴っていく。
国家権力の執拗な攻めにも信念を曲げず、情報提供者の身元を秘匿し続けた主人公の記者魂には頭が下がる。
ラストに明かされた情報提供者の正体はとても意外で、これは何があろうと絶対に明かしてはいけないと思った。
ひとつの記事が様々な波紋を呼んでしまう。「表現の自由」が孕むいろいろな側面が浮かび上がり、考えさせられた。
熱演したケイト・ベッキンセイルの凄まじさ
これは陰謀ではなく記者の無鉄砲
未成年から聞いた国家機密を記事にするなんて無鉄砲すぎる。情報源として適正でないソースを手掛かりに国家機密を新聞に掲載。しかもその国家機密は息子の通う同級生の母親。記者魂は立派だが人としてどうなの?と思えた。しかも、国家機密は暴露された事が原因で暴徒により射殺される。最後までネタ元を明かせなかった記者は釈放された後、再び逮捕。国家機密の小学生の娘がネタ元でした、なんて言える訳もない。法廷侮辱罪で記者は刑務所へ送られてどん底へ。
記事になんてしなきゃ良かったんじゃない?でも逮捕勾留刑務所送りは自業自得。
守り抜いたもの
実際の事件から着想を得た作品ですが、これがフィクションで良かったとしか思えない作品でした
支払った代償が大きすぎるし、せめて報われたら良かったのに
でも彼女が守り抜いたものは、ジャーナリストとしての誇りだけじゃなくて、それよりも彼女は自分の信念を守りたかったように思いました
そういう意味では報われたのかもしれません
だから結局彼女は自分の選択に納得したのじゃないかなと思います
ただ検察官と夫がもう最悪で、ホント嫌なやつというか人間のクズとしか思えませんでした
それに比べて弁護士さんがとっても良い人
最高裁でのこの弁護士さんの弁論は心に響きました
この作品のようにこの弁論が届かない世界になると、政府のやりたい放題になってしまいます
フィクションだけど、あまりにもレイチェルが可哀想すぎて後味は良くなかったです
ナイス改変
CIA諜報員の身分をスクープした新聞記者の苦悩、そしてジャーナリストの矜持を守る為の闘いを描く物語。
実際にあった「プレイム事件」を基にした作品ですが、本作は実話を大幅に改変されています。
実話では・・・イラク戦争の元になる「大規模破壊兵器をイラクが保持している」に疑義を唱える外交官を陥れる為に、保守系ジャーナリストがその妻の身分を暴いてしまった事件。
でも、そんなお話では「報道の自由」を守るお話に出来ないので、「大規模破壊兵器はない」の報告と、報告を提出したCIA諜報員をスクープしたお話にしています。
これなら、「報道の自由」と絡めたお話にして、尚且つ主人公に共感することが出来ますね。ナイス改変です。
物語は、主人公がジャーナリストの矜持を守る為の苦闘を描きます。圧倒的な巨大連邦政府の脅威。薄れゆく世間の感心、家族との軋轢、刑務所での生活・・・
そして、それらの話に、スクープされた諜報員の悲劇を絡めて進みます。
これでもか・・・という苦難の連続は心が苦しくなります。それだけに、心を揺らぎながらもジャーナリストの矜持を守ろうと必死になる主人公を応援したくなります。
ラストの展開は「驚愕」の一言。肌が粟立つ思いになりました。主人公が必死に守ろうとしたものは「ジャーナリストの矜持」だけではなく、自らの人間性も守ろうとしていたのかもしれません。
カタルシスを感じ難い作品になっているのが、唯一の大きな弱点でしょうか?その点は少し残念でした。
私的評価は4.5にしました。
痛快娯楽作ではない
米合衆国大統領が狙撃された。
大統領暗殺未遂事件が起き、ベネズエラの犯行と断定した米軍は軍事介入を行う。
CIAのエージェントであるエリカが、ベネズエラの関与を否定するレポートを送っていたにも関わらずである。
母親であり、新聞記者であるレイチェルは、スクールバスで子供に同乗し、髪の毛を引っ張られたと主張する女の子アリソンに味方する。
息子のティミーは「告げ口だ!告げ口はいけないんだよ!」と大騒ぎするが、「髪の毛を引っ張られることを、我慢する必要もない」と息子を諌める。
「席を変わりなさい」と大人の対応をする幼稚園の先生。
レイチェルの隣に座ったアリソンは、自分のママ、エリカがベネズエラに旅行した話を始め、それが合衆国政府の陰謀につながる大スキャンダルであることに気づくレイチェル。
翌日、レイチェルの記事が載ったことで、マスコミは政府を攻撃し始め、レイチェルはエリカの正体を暴露した情報源を明かすよう強要される。
拘置所に不当に拘束され、レイチェルは言論の自由を主張し真っ向から対立する。
やがて、彼女は信義と引き換えにいろんなモノを失っていく。
彼女に勝利の日は来るのか。
もっと、ハラハラドキドキのサスペンススリラーを期待していたのですが、とてもリアルな法廷劇でした。
政府の陰謀をめぐって、不幸の連鎖が広がっていく様がていねいに描いてあり、ケイト・ベッキンセールはレイチェル役を熱演。共演陣も粒ぞろいで迫真の演技です。
子役もいい。
デビッド・シュワイマー(フレンズ)、ノア・ワイリー(ER緊急救命室)など、大人気のドラマで主役を張った俳優が、目立つこともなく自然体で出演していてキャスティングも満足です。
ただ、レイチェルが大きく報われることのない、救いのないラストがいただけませんでした。
映画としては、残念ながら、平凡な出来ですが、巧妙で、皮肉たっぷりに、とても真面目に、細部までこだわって描いてあります。
逆に、これほどの出来栄えの映画が、公開当時にそれほど話題にならなかったのが不思議に思いました。
2014.6.10
スクープの顛末
着想を得たとされる「プレイム事件」はブッシュ政権のイラク大量破壊兵器隠匿説に批判的であった元外交官ジョゼフ・ウィルソンを貶める為の情報操作に載せられた『ニューヨーク・タイムズ』の記者ジュディス・ミラーの話だからうさん臭さが仇になる。むしろ匿名の情報源を保護するジャーナリストの問題ならジェームズライズンの話の方が気骨を感じるし、他にも適当な実例はいくらでもあったろう。
実話とのリンクはさておき、主題は国家秘密保護法と情報源の秘匿を担保とした報道の自由を守る権利とのせめぎ合いと期待するでしょう、その辺は終盤になって弁護士が最高裁で語る訳ですが、その弁護士も見かけ倒しでスーツや時計を自慢する似非紳士風に描くのは何故でしょう。
9.11以降テロ憎しの世論の大合唱にメディアも司法も屈してしまい、最早アメリカには気骨ある憲法の擁護者は居なくなったという嘆きが裏テーマなのでしょうか・・。
映画はほぼ全編、主人公の女性記者の受ける苦痛を追うだけですので居た堪れない。
観ている方は事件ものと期待して暗殺未遂事件の究明の方が知りたいのにママ友の裏の顔暴露の方ばかりに話が寄せられ、最期の落ちも記者魂というより母親心理に寄せていて気骨あるジャーナリストというイメージを壊します、確かにかってのスクープを追った新聞記者ものとは一味違ったユニークな視点ではありますが定番の新聞記者ものとしてのカタルシスには欠けているので面くらったと言うのが感想です。
ノンフィクションなフィクション
何処までかホントかは解らない。記者の拘留の話はホントなんだろうなと思うがそこがフィクションなのでは?最期のリークのシーンはフィクションだなとか色々想う。
ストーリーにハマって面白く観れた。
結局旦那が浮気して大切なものは全て奪われてしまった。
頑張りが報われない話でした。
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