「男って不器用だな」そして父になる eigalさんの映画レビュー(感想・評価)
男って不器用だな
タイトルに”父”と書いてあるので男(父親)目線で描かれていますが、
女性(母親)目線のセリフも出てはきます。
割合にして6:4くらい。けどやっぱ男性描写が多かったかなあ子どもも男の子だったし。。
福山演じるエリートサラリーマンである野々宮良多は、子どもといるときは笑顔を見せて接しているが子どもがいなくなると仕事に没頭し
家庭はみどりに任せきりという典型的な父親像。
高級マンション(スカイツリーは見えるが一番上の部屋ではなかった(笑))や高級車を乗り回していてお金には困らず、
「(事が起こっても)自分でなんとかする」と言うが、子ども二人とも引き取ると目論んでいたが思うようにいかなくなり、
その時みどりにみごと言い詰められる。「あなた、なんとかするって言ったよね」。
「(事態を知って)やっぱりって、あたしそのことずっと忘れないから」みたいなことを言われる。
けど最後には良多の方から反省し、慶多を抱き寄せてやり直そうとする(ぎこちない抱擁ではあったが、、)
どなたかも書かれていました、いきなりの裁判シーン。そしていきなりの看護師からの告白。
「自分が離婚して悩んでいる時に他の家庭がうらやましかった」という動機。
それを聞いた2組の夫婦は(特にリリーさんは)もう少しで声を張り上げそうになるはど目を見張り驚く表情はしていましたが、
とにかく突然の話の展開でしたね。そんな動機でという。
参考文献でもあるそうなので実際でもそうゆうことって起こっているんですかね。
父親母親について描かれた作品なのではあるのですが一方では格差のことも表現しているとも思いました。
エリートと平凡な家庭の対比という。
平凡な田舎の小さな電気屋を営んでいて子供に対しては一緒になって遊んでいるが奥さんには頭が上がらないという役どころの
リリーさん。慰謝料を存分に食い物にして買ったものをすべて病院名義の領収書で切るという。
金持ちか、心を持っている人なのか。どちらが重要なのだろうか・・
父性母性というが、”母になる”ではなくて”父になる”としたのは、女性はすんなり母親になれるんだろうけど、
男はもしかしたらずっと不器用で子どものままなのかもしれないし、気付かされなければ変わらないのかもしれない。
慶多にカメラを上げるよとぶっきらぼうに言うが断られるシーンだったり(これは嫌われているのか?と思ったが実は後での伏線につながる)、
看護師に手紙を引き返すが子どもが出てきて何も言い返せなかったり、ルールを作って押し付けたり琉晴のピアノがうるさい!と怒鳴ったり。
子の心親知らずとも言いますね。
そうした中で最後のところで、
カメラで撮った写真を見ているうちに実は慶多は良多の写真を何枚も何枚も撮っていたことに気付く。
そこで、すんなりと涙が出て来ていましたねー福山、鑑賞者共に!?
(あの写真は本番まで福山に見せてなかったのかなあ?と思ったり)
父性だけでもだめだろうし母性も無くてはならないんだろうなとつくづく思ったりしている今日この頃。。
「家庭」という組織ではあるのですが、どんな「組織」についても当てはまるんじゃないかなあ?
あとそういえば母性と言えば、真木さんのウィンクもかわいかったです!(それも2回もやってくれて!惚れてまうやろー!(笑))
これ男の子が取り違えられたわけだったんですが、
もし女の子だったらどうだろうと思ったり。
もしくは母親(女性)目線とか?