アイアン・スカイのレビュー・感想・評価
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月からナチスが(笑)
この作品の見所は間違いなく主演女優にある。
ユリア・ディーツェの軍服姿に釣られた方がいっぱいいるのではないだろうか?
金髪ロングで真っ赤な口紅つけたナチスコスチュームのヒロインなんて、アニメみたい。
内容はB級でCGも頑張ってはいるが、変にキラキラしている(笑)
ちょっと暇潰しには良い映画と思います。
社会風刺の馬鹿映画なのに映像本気すぎ
ぱっと見はB級馬鹿映画なのだが、ちりばめられた皮肉につぐ皮肉が映画を面白くしている。
設定もストーリーも、整合性なんか微塵も気にしてない映画なので、皮肉を読み取れないと、ただのつまらない話に感じてしまうかも。
は?何これ?って思う映画
月に居るのはうさぎ?宇宙人? いえいえ、ナチスです!(笑)
第二次大戦敗北後、月に秘密基地を作っていたナチスの残党が、遂に地球に総攻撃を仕掛ける!
映画の題材でも特に“取扱注意”の一つであるナチスを、よくここまで面白おかしく描いたもんだと感心。
日本だったら河崎実が監督しそうな(笑)、何処を取ってもこれ以上ないくらいの“キング・オブ・B・ムービー”!(褒め言葉)
そもそもナチスがどうやって月に行ったんだ!?とか、幾ら何でも衛星で月面基地に気付くだろ!?とか、そんな細かい事を気にする人はこの映画を見なくて良し!
「マーズ・アタック!」のノリで、この奇想天外な世界を楽しんだ者勝ち!
確かにお馬鹿でチープな映画ではあるけど、風刺は効いている。
月面に基地を作るくらいの科学力を持っているのにスマホに驚くナチス、ヒトラーの二匹目の泥鰌のような准将、ノーカットの「チャップリンの独裁者」を見て価値観が覆されるナチスの女科学者、ステレオタイプの黒人(後に白人化)、好戦的なアメリカ、ナチスの愛のメッセージをキャンペーンに利用する米大統領…よく各方面から怒られなかったなぁ(笑)
地球侵略を開始したナチスの宇宙戦艦を迎え撃つは、アメリカの宇宙戦艦、その名も“ジョージ・W・ブッシュ”! アメリカだけではなく各国も宇宙戦艦を持っていて…って、おいおい!(笑)
一見何でもありのような展開だが、映画に“深み”があるとしたら、ここ。ナチスは危険だが、現代科学の兵器を持った世界も危険。
オチも皮肉たっぷり。
アブナイ要素を、笑いの中にブラックに描く。
ヒンデンブルク風のレトロなナチスの宇宙戦艦はgood!
アメリカの宇宙戦艦は「スター・トレック」みたい。(この映画の監督は「スター・トレック」のパロディで「スターレック」という映画を撮った事があるらしい。見てみたい!)
宇宙戦艦バトルは低予算にしてはなかなか。
女性米大統領が誰かさんそっくりで、多分この映画の一番の風刺。
そして、レナーテ役のマリア・ディーツェが美人。彼女のお色気要素が少ないのが惜しまれるが(笑)
通な映画ファン、SFファンの間ではカルト作になるだろう。いや、既になっている?
さすがに評価5や4は点けられないけど、3・5の評価は、この映画にとっては評価5のようなもんでしょう!(笑)
よく出来た戦争風刺映画ですな〜
先の大戦が終了後も月の裏側にナチ残党が生息しており、虎視眈々と地球侵略を狙っていた。
そこに月の調査のために到着したブラックアメリカカンが捕獲されるが、地球侵略の視察のために地球にナチ総統候補とそのフィアンセと一緒に地球ツアーに。
フィアンセはナチスの間違いを知ることになるが、ナチ総統候補は準備を整え、地球に総攻撃をかけることとなる。
月の裏側にいるナチ残党VS地球連合軍の宇宙戦争が始まる!
果たして地球を守ることが出来るのか?人類に未来は?
とSF映画ものっぽく書いたが、かなりの風刺映画です。
まずはナチスへの風刺。
ナチスにいた人体実験をしてたマッドサイエンティストのパロディーがあったり、優性遺伝についてのギャグがあったり、月での教育にチャップリンのヒトラーを風刺していた映画の非風刺部分だけを流してとてつもなく人格者として児童教育してたり、地球でネオナチのスキンズを好青年といったり…
ナチスにたいして多少の知識があれば笑えるネタが満載。
次にアメリカにたいしての風刺。
大統領の「月と戦争すれば2期目の大統領選も再選確実!」と国内政治のために戦争を仕掛けたり、核兵器だろうがジャイアニズム的な正義のもとに武力行使をはかる、利益が出るとこはなんとしてもアメリカが総取りしようと目論む。そんで歯向う諸外国から利益を守ろうと必至。
総じて既得権益を持った絶対正義を振りかざす輩はナチだろうが、アメリカだろうが関係なくクソだといっているかのよう。
これってサシャ・バロン・コーエンのディクテーターと似たような手法で、ナチっていう今はパロディーの対象に出来るものを引き合いに出して結局アメリカも一緒じゃん!って言っているんじゃないだろうか!?
それを説教臭くなく、ふざけすぎず良い塩梅で作っているのが流石!
そういうことをサラッとやれるのがユーモアであり、インテリジェンスだと思いました。
メッセージ性以外の所ではヴィジュアル面が良い意味で安いところがこの映画の塩梅に合っていると思う。
単純に低予算が問題なのだが、CGが妙につるっとしていて宇宙、UFO、諸々の機器にリアル感がなかったりするところなんてこの映画のスタンスにちょうどいいと思う。
月の裏側の大戦時の機械にイノベーションはないが、進化した感じのするサイバーパンク感も最高です。
所謂ブラック・ユーモアたっぷりの映画
社会風刺が一杯のバカバカしさを追求した傑作。
おバカだが、一見の価値有り!
「もう、いい加減にしろ!一体何時まで、ナチス批判映画を作り続け、観せられ続けるなんて、もう飽き飽きで、うんざりだ!」と叫びたかった。
何時までも、過去の人々の過ちをほじくり返す様なステレオタイプの戦争批判映画は、もう観飽きたと叫び出したかったのだが、この映画は、全くその類いの作品では無かったのだ。
人類の過去の歴史は決して変える事は出来ないし、史実は出来る限り事実に即して後世の人々に伝える責任が先人には有る。しかし今迄も過去には無数の戦争批判映画が制作されて来ているし、世界の何処かで今日も戦争や、紛争は繰り返されている事実が有る事から考えれば、新たな戦争映画を量産して観客に見せる意味などもはや、残念だが無いと私は考えている。
戦争批判映画が大量に制作された事で、戦争が終息した事は歴史的にも決して無い。
そんな理由から、私は個人的には戦争映画は大嫌いで、その類いの映画の必要性もあまり今では感じていないのだ。
しかし、この作品には、驚いた!只只驚いた、そして、にやりと笑みがこぼれ落ちた。
映画全編観ると全く何処もかしこも映画のその総てが、ブラックオンパレード!
それはまるで、金太郎飴の様に、何処を切っても跳び出すのは金太郎の顔ならぬ、政治の風刺劇の連続・連続・連続なのだ。
此処まで来ると、下手なカメラ撮影の映画でも、槍でも鉄砲でもぶっ放してくれていればそれで充分OKと言う気持ちにさせられるのだった。
先の世界大戦で大敗したかにみえたナチスが実は月に隠れ潜んで、再びこの地球を丸ごと丸々征服してしまおうと、目論んでいたと言うこの発想からして、めちゃくちゃ奇想天外で、ハリウッドでは決して出来得ない映画の誕生だったので、観る事が絶対ないような作品が観られる機会を得られた事を嬉しく思う。
そして大いに遊び心に火が付けられた様に、このチープで矛盾した作品を楽しく観る事が出来た。
月から地球へは難無く一瞬で、飛来する事が出来る程の高度な文明を発達させたかに見えるナチスであるが、その半面で人々のマインドや、生活とその様相は70年前のままで全く変化が無いと言うのも多いに笑える点だし、それ自体が、人の性質と言うものを巧みに皮肉っているのだね。
この作品が「月に囚われた男」に触発されて生れた作品で有るのかは知らないけれども、しかしこの作品は、アメリカ政治の風刺のみならず、各国の言い分もかなりの風刺が効いているものだ。
低予算で、チープな作りの映画でも、この映画が試みたような、資金集めから始まり、撮影の実現化、そして映画の完成まで漕ぎ着けて、こうして骨の有る作品を制作する事は映画の新しい未来の展開であり、映画の新たな可能性の発見の一つだと思う。
呆気にとられちゃったよ
うーーん…
日本よ、これが国際風刺映画だ!!
「ナチスが月からやってくる」とはなんと大胆なことを思いついたものか。これほど荒唐無稽な話は聞いたことがない。
アメリカの大統領が再選を目指したPRロケットを月に向けて打ち上げるというところから始まるのだが、この事自体、すでに常軌を逸している。早くも我が物顔のアメリカの傲慢さを揶揄している。
喜んで月面に立つ宇宙飛行士を月の裏側に潜んでいたナチスが拉致するわけだが、その出で立ちが凄い。化学兵器でも使っていたかのようなマスクをつけた親衛隊が現れる様は異様だ。
40年代に月に逃れるだけの技術を持ちながら、いまだに手にするのはワルサーP-38で、古臭いサイドカー付きオートバイで移動する。連れて行かれた先は鈎十字型の要塞という念の入れようだ。この妙ちくりんな作り込みとバカバカしさ、そしてあまりのレトロさと、月と地球の間は自由に行き来できる技術とのギャップに笑ってしまう。
過去に地球人が見たというアダムスキー型UFOはナチスの偵察機だったのかも知れないと納得してしまうからコワい。
そんな彼らが遭遇するのは、宇宙飛行士が黒人で、アメリカ大統領が女だという地球社会が変化した現実だ。
地球侵略のための最終兵器「神々の黄昏」号を動かすための切り札を見つけるが、これが地球では誰もが持っている小さなアイテム。「神々の黄昏」のメカがまた無意味にスゴい。
レッド・ツエッペリンばりの大型戦艦からはスターファイターのごとく戦闘機が飛び立つ。
ナチスのことを笑ってばかりはいられない。地球上でも各国が虎視眈々と月の地下資源を狙っていたりする。お互い、相手の腹を探り合う国際会議の席上、世界を救えるのはアメリカだけだと自慢するように打ち明ける宇宙戦艦の艦名が、過去の戦争好きだった大統領の名前だったりするから、もはややりたい放題だ。
それに反応する各国ももはやジョークを通り越して笑っていられない。対抗するモノを持たない国ははじかれる。それが現実だ。ほかの国を辛辣に揶揄する表現は、邦画にはないブラックな面白さがある。
アメリカ大統領の女性広告官の名前がヴィヴィアン・ワーグナーだが、ワーグナーはドイツが起源の姓だ。探れば探るほどキツいジョークが見つかる。
ナチスのマッドサイエンティスト、リヒター博士の人体実験で白くされた黒人のジェームズの「白人になったらすべてを失った」というセリフまで、93分のどこを切ってもブラックなのだ。
こういう映画を映画館の大っきいスクリーンで見れる醍醐味を!
ハイール・リヒター!
バカバカしくて痛快な良作。
どこからどこまでも皮肉たっぷり。
どことなくキューブリックの『博士の異常な愛情』を彷彿とさせSFファンの心をくすぐります。
悪として描かれているはずのナチス軍のリヒター女史の清らかさと、正義として描かれる地球軍のエゴイスティックな醜さ。
悪と正義の存在が本当に紙一重であり、とても曖昧なものであること。
一部だけ露出している正義は、全体を見れば悪である可能性だってある、ということを上手く表現していました。
特にラストシーン、どこに希望の光がさしていたかを考えれば・・・なかなか小気味のいい映画でしたね。
そして何より良かったのが、そこら辺のテーマをあくまでもバカバカしくコメディーとして描き切ったこと。
爆笑はできなくてもニンマリ笑える、浅くも深くも観れる良い映画でした。
面白い人たち
あの米大統領は、映画の中だけの話にして欲しい。
制作のための予算確保に苦労していた所、ファンからの寄付が1億円も集まったと言う曰くつきの作品。
ナチの残党が、第二次大戦終了時に南米に逃げたという設定の映画に『ブラジルから来た少年』と言う作品がありますが、これは南米どころか、月の裏側までナチの残党は逃げてしまっています。そこで、独自に科学開発が行われているんですが、やっぱり、スティーブ・ジョブズの居ない月面では、iPhoneやiPadは実現していないんですね(笑)。でも、作中、月面ナチたちがスマホを指しながら、自分たちの作ったコンピュータよりも遥かに高性能だというのは、ある意味本当の話。アポロの頃のコンピュータよりも今のケータイ・スマホの方が遥かに計算能力が高いですからね。
ナチの残党という事だけでも充分パロディですが、アメリカ合衆国の大統領がサラ・ペイリンを思わせる容姿と言動で有ることも、パロディと言う作品設定に深みを(?)もたせています。いやぁ、そこは本当に映画の(しかもB級映画)中だけにして欲しいです。時代設定が、2018年と意外に近いのが怖いです。
その他、国連もパロディにされています。ただ、その際フィンランドだけ、宇宙条約を順守している設定だったんですが、製作国だからだったんですね。自国を悪くは言わないか。あと、宇宙空間での戦闘で、日本船が特攻攻撃するのはお約束なんでしょうかね?某国の事に触れるのは止めておきます。でも、諸国からはそう思われているのかもしれませんね。
製作国にドイツが入っているんですが、良く許可されたと思いました。ドイツにおいて、ナチは一律忌避では無いと言うことなんでしょうね。内容がナチ礼賛ではないので、大丈夫だったという事なんでしょうね。
設定は荒唐無稽で、ある意味、いや、そのままストレートにB級映画ではあるものの、見てみると、1億円を集めたと言うこともわかります。なんか、バカバカしい話が好きそうな人たちを惹きつける魅力を感じました。後編あるいは前日譚の作成も決定しているらしいです。
全43件中、21~40件目を表示