ムーンライズ・キングダムのレビュー・感想・評価
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今までに観たウェス作の中で一番面白かった
ウェス・アンダーソン監督の作品について、ある人は「おしゃれ」と言う。ある人は「気取ってる」と言う。
「好き」と「鼻につく」が明白に分かれる監督といえるだろう。
私個人は、実はそんなに好きではないけれど、なんとなく何本か作品は観ている。
映画に映像の面白さを求めるタイプなので、予告編が面白そうに見えるからだ。
それで観て、やっぱりそんなに好きじゃないなとなるわけだが、本作に対してはちょっと違った。
ストーリーテラーとしてのウェス・アンダーソン監督は、起承転結の起と承しか描かないタイプの人で、要は、語りたい物語があるわけではなく、撮りたい画があるタイプの人なのだ。
結果どうなるかというと、物語が始まって、特に何もなく終わる。映画に物語性を大して求めていない自分のような者でも、もう少し紡いで欲しいなと考えてしまうくらい変化に乏しい監督だ。
そんなウェス・アンダーソン監督作品の中でも本作は物語性という意味ではっきりしていたように思う。
そして、画の奇抜さだけではない娯楽性を有していたように感じる。
つまり、面白かったよね。今までに観たウェス・アンダーソン監督作品の中で多分一番面白かった。
ガンアクションも他殺も自殺もないが、狭い島の世界で少年と少女の起こ...
ガンアクションも他殺も自殺もないが、狭い島の世界で少年と少女の起こす事件にのめり込みます。
二次元的な古いアニメみたいなカメラワークと、主人公が少年少女の部分は宮崎駿と比較すべきかも。
大人と子どもと、子どもと大人と。 エッシャーの世界。
ボーイスカウトの仕組みが解ったらもっと理解できたのに。とも思うがどうなのだろう。
設定や、画の構図等はファンタジーの様。
デフォルメされた登場人物。
シニカルな台詞。
大人たちは自分達の思惑を抱えながら、抱えるがゆえに、子どもたちに翻弄されてしまう。
そんなドタバタの中で描かれる二人の一途な想い、彼らなりに真剣に生き、未来を開こうとする姿。
”問題がある子ども”という設定だけど、本当に問題を抱えているのは誰なのか。
なんて真剣に考える映画ではありません。
私の中の子どもがやりたかったことをやってくれる。
そんなロマンチック冒険活劇?
ちょっぴり心の中をハリケーンが通り過ぎ、輝く太陽が出てきたような映画です。
否、昇ってきたのは月か。(笑)。心の中に存在し続けるロマンチックなキングダム。
からっからの好天気ではなく、ウェット感もありつつ、
とり散らかった台風後の流木等を観ながらも笑える、
雨降って地固まるといいな、でもきっとこれからもいろいろとあるんだろうな、そんな映画です。
良い映画でした
小さな恋のメロディーを思い出させるストーリー。
とぼけたように見えて真剣な二人の冒険とかき回される大人たち。結構、面白かった。
スージーの兄弟姉妹も、サムのボーイスカウト仲間も自然な演技で違和感なく見れたし、そんな大物俳優をキャスティングしなくてもと思うくらい贅沢な大人の俳優陣。景色も綺麗し音楽も良かった。エンディングも良しで良い映画でした。
私にもあったであろう「思ったことをすぐ行動に移せる純粋さ」は今はどこに行ったのだろう。この映画は大人たちにそんなことも言いたかった一つなのかもしれない。たまにこういった映画を見ることで心が洗われて純粋さを取り戻した気分になれるのは私だけだろうか?
というよりたまにこんな映画を見て純粋さを取り戻したいのだ。
温かい笑い
気取った映画かと思って、なかなか見る機会がなかったけど、けっこう尖った大人の俳優の共演なのに、素直な素敵な話だった。子供達がかわいらしいから、それに大切にされているから、よかったなー。まぁ大人から見た子供というより、大人がこうあってほしいと思うような子供達ではあったのだけど、かわいいのでなんでもありです。
とても愛くるしい
ウェスらしくビビッドな色彩、舞台となる島もきれいでもうワクワクします。
小物一つにもちゃんと気を使っていてテントの中でさえ実に可愛らしい。家とかもロマンに溢れてます。
もうウェスの趣味みたいなものなんでしょうけど、作り込みが本当すごいですね。
あの赤いダッフルなんて見てるとすっごい欲しくなりますもの。自分に似合うかどうかは置いといて。
作り込みといえば脚本も練られていて、劇中劇とリンクしていたり結構見応えあります。
それと音楽も良いんですよ。最後の最後、エンドロール後半とかも素晴らしい。
楽曲もですが、持っているレコードがアルディだったりするのも憎い。
出演者はいつものファミリーに加え、とても豪華な顔ぶれ。
子役がまた皆良いキャラクターで、特に主演の二人は抜群な雰囲気ですね。演技云々でなくとても自然な空気です。
物語のエンディングも綺麗におさまっており、とても愛くるしい。
全編に渡って実に可愛らしい作品です。
すきだわー
ファッションや島全体の世界観
やたら色っぽいけれど物語と音楽を愛す問題児の少女と
幼い顔して知識は豊富、アライグマの毛皮の帽子とママの形見のブローチを愛用してる問題児の少年
2人の恋の逃避行
細かいところまでおしゃれだし繰り返しみたくなります☺️
作り込まれた細部
大きすぎるウェリントンがいつもズリ落ちそうなシャカウスキー。
顔の左右バランスがちょい違う、ベラみたいな青シャドーのスージー。
子役二人が魅力的です。
シャカウスキーは小っちゃなコーンパイプを吹かしています。
暑くてもずっと縞柄尻尾付のウシャンカかぶりっぱなしです。
里親にも見放された孤児で、情緒不安定、カーキスカウトの嫌われ者です。
スージーは釣り針とコガネムシでつくったイヤリングをしてます。
シャカウスキーがつくって貫通させました。
あれはマジで痛そうでした。
いつでも双眼鏡を首から提げてます。
双眼鏡はスージーのマジックパワーです。
ディティールがアンダーソン監督ならでは。きりが無いほど細部がつくりこまれています。それがアンダーソン監督の風趣だと思います。役者たちは膨大なセットの中でクレイアニメみたいな、わざとらしい演技をします。小津安二郎の遠縁なのは、なんとなくですが──解ります。今日を生きてMITかなにかに留学してたらこんな映画をつくったに違いない──と思わせます。
西洋の家庭にある大きな家のおもちゃ、内部にはミニチュアの人がいて、内装から何から、キッチンのこまごまとしたツールに至るまで、総てが小っちゃく再現されているおもちゃ。アンダーソン監督は私にとってあのイメージです。
犬ヶ島やブダペストの情報量には圧倒されましたしダージリンのペーソスも染みましたが、どれかと言えばこの過去作がいちばん好きかもしれません。
演技が作り物っぽいところがアンダーソン監督の魅力ではあるものの──それって結構、観るのに波長を合わせてしまう気がするのです。
でもムーンライズは子役だから、つくってない表情、演技じゃないしぐさにシンパシーを感じることができた──ということかもしれません。
ラストできれいに消化されるタイトル。
かわいい映画です。
【色彩も情感も素敵な、少年少女の一夏の"駆け落ち"をウェス・アンダーソン監督が、寓話トーンで描き出した作品】
-ウェス・アンダーソン監督の映画は色彩が独特で綺麗、衣裳や小道具の懲り様(今作品では断面の黄色いドールハウスが、象徴的)も流石。揺るぎない"ウェス・ワールド"である。-
◼️その、"ウェス・ワールド"の中でハリウッドスター達が"ちょっと変わった"大人として"活躍"している。
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舞台は1965年のアメリカ、ニューイングランド沖の小島。
その閉塞感溢れる場所から駆け落ちをしようと決意するサムとスージー。
スージーの"少し変わり者"の両親ウォルトとローラにビル・マーレーとフランシス・マクドーマンド。
ローラの密会相手シャープ警部にブルース・ウィリス(ブルースに似た俳優さんだなぁ、と思って観ていた程、ブルース感なし!)
そして、可笑しなボーイスカウトのウォード隊長にエドワード・ノートン。
可笑しな大人達の珍妙な行動を望遠鏡で観察するスージー。
-そりゃ、"愛の逃避行"に踏み切るよなあ。-
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〈唯一無二の"ウェス・ワールド"に、楽しく魅了される94分である。〉
〈2013年2月10日 映画館にて鑑賞〉
お洒落でキュート、絵本みたいでシュール
大人たちが滑稽で、演じた名実共にベテランな俳優たちが子供に振り回されマクり。
主役の二人は可愛いし、物語がドウってよりも映像のLOOKを楽しんでナンボ!?
ジャームッシュの「パターソン」では、大人になった二人が垣間見れる。
ウェス・アンダーソン監督作はどれも無駄がなくて、落としどころのわか...
ウェス・アンダーソン監督作はどれも無駄がなくて、落としどころのわかっているセンスの良い作品が多い。
観やすい、楽しい、結構リアル。
この監督さんにはまりまくっています。
2014.9.23
フィクション
ことさらフィクションであることを強調するようなカメラワークは、ストップモーションアニメではしっくりくるのだが、実写で観ると余計に作為的に感じてしまって、そんなに好きじゃない。ブラックユーモアはわりと好き。
成長前のルーカス・ヘッジズ発見。
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