劇場公開日 2013年4月13日

「評論家の言葉は信じないが、これはその通りの名作だった。」ガレキとラジオ ぽん酢なべさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0評論家の言葉は信じないが、これはその通りの名作だった。

2013年4月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

楽しい

ヴィヴィアン佐藤(美術家&映画評論家)の評論を見かけて、観に行った。
彼女(彼?)の言う通りだった。
終わったあとに、映画館で拍手が起きた。それも含んで音の映画だった。被災地映画なのに、ひまわりのポスター通りで明るかった。秀作。被災地支援にも今後利用されるので、星を5つあげたい。

---ヴィヴィアン佐藤(美術家)
これは「おと」に関する映画だ。鼓膜が破れる様な黒い津波の「爆音」。夜空に響く鎮魂の大輪の咲く「音」。カラオケの楽しい「唄声」。すべてを奪っていった津波に対する落胆・絶望の「溜息」。そしてラジオから流れる地元の人間による「声」。死者たちの声にならない「声」。語り部の「ぼく」の存在としての「声」。
津波に呼応する様にラジオの電波は、過去と現在と未来を繋いでいく。先祖の声と、いまを生きる声と死んだばかりの者の声、そしてこれから生まれてくる希望の声とを。それらは元々寄り添いすぐ隣りにあるものだが、ラジオによって輪郭を与えられているのかもしれない。。。

ぽん酢なべ