「何を我慢しとるか、はっきりしとったら我慢できる」少年H shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
何を我慢しとるか、はっきりしとったら我慢できる
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映画「少年H」(降旗康男監督)から。
主人公の名は「肇」(はじめ)、
だから手編みのセーターには「H」の一文字。
サザエさんの弟、カツオの「K」と同じ感覚だった。(笑)
「たぶん、明日から『H』って呼ばれるわぁ」と
嘆いたシーンが妙に可笑しかった。
「H」を「エッチ」と読むか「エイチ」と読むか、
それは大きな違いのようにも感じたアルファベットである。
さて、気になる一言は、戦時中に父親が息子に語る台詞。
「自分がしっかりしてないと潰されてしまうで。
今、何が起きているのか、自分の目でよう見とくんや。
いろいろ我慢せなことがあるやろうけど、
何を我慢しとるか、はっきりしとったら我慢できる」
「戦争はいつか終わる。
その時に恥ずかしい人間になっとったらあかんよ」
何でもかんでも戦時中だから「我慢しろ」ではなく、
こんな時でも、息子に助言できる父親の静かな強さを見た。
また、戦時中ならではの台詞ではなく、
今の世の中でも立派に通用するアドバイスでもある。
何も説明なしに「我慢しろ」と言われるよりも、
何に対して我慢しているのか、説明することの大切さ、
意外と大事なことなのかもしれないな。
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