「国民に対する国の責任」少年H ウッチーさんの映画レビュー(感想・評価)
国民に対する国の責任
筆舌に尽くしがたい苦難に陥れ、価値観の混同を強いられた国民に対して、国は国民を見捨てたという事実を、少年Hの行動を通して目の当たりにしました。
終戦の時は私は1歳で、戦争の記憶はありませんが、親や兄弟姉妹から悲惨な話を聞かされ、防空壕はあちこに残っていたし、傷痍軍人の姿もたくさん見ました。
戦争は間接体験していると思っていたのですが、主人公の家族が空襲に逃げ惑う姿、そして戦後の混乱の映像を通して、リアルに戦争の悲惨さを再確認しました。
国債は紙切れ同様になったことは聞かされていましたが、筆舌に尽くし難い無責任な、恥ずべき行動を国が取ったのだという事実を見つめさせられました。見終わった後に、国に対する不信感と憤りを強く覚えました。
日本は見事に戦後の復興を遂げましたが、それは国民一人一人の努力と知恵があったからこそで、政治主導で復興したわけではないことをこの映画から学んだ気がします。
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