「戦争を生きた家族の物語」少年H 未散さんの映画レビュー(感想・評価)
戦争を生きた家族の物語
何年か前に読んだ妹尾さんの作品はとても面白かった。戦争の中で疑問を感じながら生きる賢い少年、父親と母親の描かれ方も原作通りの気がする。父親が神戸の紳士服屋を経営している事でリベラルな考え方出来たし、母親はクリスチャン。その子のHが戦争に疑問を抱くのは必然。自分の生き方をしたいが父親に我慢も大切とか、人を思いやる気持ちが大切とか諭される。3月10日の東京大空襲は義母から聞いていたが、乳飲み子の夫をかかえ、電話ボックスで授乳したそうで、火が燃え盛る様子を見て大変な時代を生きたと理解できた。水谷さん夫婦は適役ですし、Hを演じた少年は利発な男の子だと思い、これも適役だと思いました。とても良い作品です。私の地域では帝国石油会社が有ったせいか今日は土崎空襲の日だと、亡くなった義父母から聞いています。アメリカが敗戦をうながす為にやったと思いますが何人も亡くなって悲惨なものだったそうです。悲しいだけでなく笑える所もあり、その時代を一生懸命生きた人たちの物語です。
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