籠の中の乙女のレビュー・感想・評価
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あらゆる不快さを詰め込んだ映画です。この意味不明の家族の成り立ちが...
あらゆる不快さを詰め込んだ映画です。この意味不明の家族の成り立ちが、段々分かってくるのかしらと思いきや、何ひとつ解明されないというある意味新しい展開だった。汚れたものから遠ざけたいという親の思いが行きすぎるとこうなりますよ、という戒めと捉えることもできるけれども、個人的には設定から描写から過激すぎて、そういうまともなメッセージを受け取ることはできなかった。現実で不条理やしんどさは十分味わっているので、せめて映画では夢見させてくれよー、楽しませてくれよー。
気持ち悪さが残る映画
筋金入りの変態監督
原題『犬歯』の方がしっくりくるな、と思った。 気持ち悪いゾッとする...
『ロッキー』も『ジョーズ』も観ちゃダメ!
「何のゲーム?」「そりゃ熱湯コマーシャルでは?」と、序盤では一体何を観たのだろう?と疑問符が頭の中にいっぱい浮遊している感じ。まずは自分が勤める工場の警備員女性クリスティーヌを目隠しをして家に連れてきて、息子のセックスの相手をさせる父親。あぁ、知的障碍者の息子の性欲を満たすために・・・と思ってはみたものの、どうも様子が変。とりあえず知的障害なんかじゃなくて、外に一歩も出さずに育てたせいなのだ。長女、次女も同じ雰囲気。カセットテープで勉強らしいことを学ばせようとはしてるものの、小学生に大学生レベルの授業を行ってるようなものなのだ。
ようやく状況が理解できてからも、父親の偏執的な教育方針は変わらず、猫を殺すという凄惨な事件を起こす息子に対しても“死”を教える方法が道理を逸しているのです。そんなヘンテコな家族の歯車も、クリスティーヌの性欲が満たされないために長女に舐めさせ、そのご褒美にとビデオテープを無理やり奪われたことで狂ってくる。
台詞から推測すると、長女は『ロッキー』と『ジョーズ』を観てしまったのだろう。“暴力”というものを学んでしまった長女。父親は怒り心頭。しかし、その罰を暴力を加えるという点で異常にも感じてしまう。犬をトレーナーにまかせっきりなところからしても、教育方針は破綻しているのだろうし、結局は兄妹でセックスさせるところも異常だ。長女はボクシングに興味を持ってしまうし、外界への執着も頂点に達してしまうのだ。
シュールすぎるラストも色んな可能性が考えられ、想像力を掻き立てられる。ギターだけは上手い長男とヘンテコな踊りをする姉妹。“死”についても理解できないまま、“ゾンビ”とは黄色い花のことだと覚えてしまうことも虚しかったり悲しかったりするのです・・・ストーリーはわけわからないのに痛々しいシーンも強烈なため、記憶に残りそうな作品でした。
独創的なダンスはまさに誰の真似でもない
テーマがめちゃくちゃ良い
のですが。
独特の空気、生活音がなんだか生々しさをおぼえて、登場人物の肌を隣に感じるような奇妙さが好みでした。
これがギリシャ感!と馳せつつ、中身はかなりシュールで一部ストレートかつシンプルなエログロ。
バイオレンスも少し?
とにかくそれを淡々。これがこの家族の世界、と素晴らしく完成されてます。
気の狂った一家(子供に罪はないけど)とは対照的に、美しい空や青く繁った芝生などが観る人の不安を煽らせる。
テーマがいいだけに、もっと面白い転がし方があったのでは?と思わざるをえなくて…
ラストのあれは、そうきましたか という感じ。
変
「籠の中の乙女(dogtooth)」 父親意外は外の世界を知らない...
祖父がシナトラ!?
環境が如何に人を形成するのか、を伝えているのかな。しかし同じ環境に...
恐怖が伝わらない
拭えない罪
ぶっちゃけ突拍子も無い映画である。発想の勝利なのか はたまた敗北なのかは さて置くが、「言い出しっぺなくせに結ばない」責任感の欠如は、簡単に拭える罪では決してない。
崇高さを うっすらと漂わす事により観客から あれやこれや問い質されない様に仕向け、誰からも触れにくい物とする。
仮に今作が“観客への問題提起”を目的としているのであれば、その手法では感情移入 出来る余地を余りにも少なくしていると言わざるを得ない。
だからこそ(?)最早 SFの領域迄 踏み込んでも尚、情緒に溢れたカズオ・イシグロ「恐るべし!!」なのであり、カズオ・イシグロの非凡具合が改めて浮き彫りとなった。
個人的には その点が非常に興味深い。
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