「ベルばらは読んだほうがいいですわ・・・」横道世之介 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
ベルばらは読んだほうがいいですわ・・・
井浦新はいつ出てくるんだ?と心待ちにしていたら、意外や意外!こんなところで出てくるなんて・・・と、この作品の構成の奇抜さにも驚かされる。
バブル期の東京、法政大学という実名を出しての映像化というのも珍しいけど、このバブルのおかげで大学生の将来の夢や方向性も見失いがちだったと思う。主人公・横道世之介も多分その一人。経営学部とはいえ、何になりたいのかはっきりしない流されるタイプだった新入生。サンバサークルに入部してしまうのもその象徴だろう。
のんびりタイプだけど、人付き合いもいいし、性格もいい。友達もすぐにできそうなタイプで、嫌われることもなさそう。同級生となった倉持(池松壮亮)や阿久津唯(朝倉あき)、そして加藤(綾野剛)とも良好な友人関係。そんな彼を好きになった社長令嬢・与謝野祥子(吉高由里子)との付き合い方もほっこりするような雰囲気だ。
祥子は彼の長崎の実家にまで遊びに行くし、デートだと言っておきながら両親に紹介。これはもう早くなんとかしろ!とイライラもするが、彼にはちょっと好きだったパーティガールの千春という存在もあった。
平凡な大学生と交遊関係。入学式から時系列通りに描かれると、なんともない映画に終わっただろうけど、友人たちの将来の風景が挿入され、平凡だけど非凡な世之介の姿が多角的に描かれていたと思う。『あなたを忘れない』(2007)では嫌韓の人たちから心無い誹謗中傷があったりしたけど、もう一人の日本人男性を感動させるために描いたものではないことが好印象となりました。
加藤がゲイであったりとか、ベトナム人ボートピープルなんかもさりげなく取り入れ、日常のことなんだとして偏見の目で見たりとかしないで、人の命を尊いものとして描いていることも良かった。ラジオパーソナリティとなった千春(伊藤歩)の「午後五時」が観終わってから泣けてくるし、与謝野家のお手伝いさん(広岡百合子)のクローズアップも良かった。いつカメラマンになるんだろう?などという興味を持たせる脚本も素敵だなぁ・・・
こころさん、コメントありがとうございます。
たしかに素敵な作品です。
高良健吾、吉高由里子の良さもあったけど、ストーリーの構成がすごく斬新だったし、感動の押し付けもしていない。
心に残る作品でしたよね♪
kossyさん
コメントを迷っていたのですが ☺️
高良健吾さんのほんわかとした優しさと
吉高由里子さんのベタな可愛らしさに魅せられました。さりげなく出演されているキャストの豪華さにも驚かされました。数年前に録画して観ました ☺️