「世之介さーん」横道世之介 Kjさんの映画レビュー(感想・評価)
世之介さーん
過去と現在が対比的に扱われ、どうしても観ている側の過去の記憶も呼び起こされ、センチメンタルな心持ちになってしまう。しかし、どうも後に引く。吉高由里子の存在がこの映画の印象を決定的に引き立てているように思う。過去と現在の振れ方が最も大きく、過去の喪失感と成長の軌跡を最も感じさせる。少女漫画から出てきたような眩いキャラを、嘘くさくなることなく、見事に演じきっているが、唐突に実家に訪ねて行ったり、咄嗟に赤ん坊を助けに行ったり、実は非常に行動的なのは、その後の彼女の選んだ道の伏線になっているように思える。
海の中から浜辺で遊ぶ友達を眺める世之介。杖をつく彼女をおいてけぼりにしかねない世之介。世之介表現にも見所が多い。
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