「日本の人情映画の世界」ル・アーヴルの靴みがき 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
日本の人情映画の世界
北フランスの港町ル・アーヴルを舞台に、靴みがき稼業の老人とアフリカからの不法移民少年の交流を描いた、フィンランドの名匠アキ・カウリスマキ監督作。
素朴で淡々とした作風。
カウリスマキの作品を見ると、小津安二郎の作品を感じる。
小さな小さな人の善意、周囲の人間模様に夫婦愛…。
悪人も登場しない。あの警部の描かれ方もいい。
人情の世界、日本映画の世界だ。
心温まる作品ではあるが、べったり感情には寄り添わない。
クスッと笑えるユーモアもあるが、少しビター。
じんわりしつつ、移民問題も込める。
秀作。
不法滞在の少年との交流を描いた「扉をたたく人」があったが、こちらも良作!
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