「誰の子なのか?という視点」黄金を抱いて翔べ ミントユさんの映画レビュー(感想・評価)
誰の子なのか?という視点
レビューを読むと
登場人物の掘り下げ浅い、という指摘が多い。
確かに同感。
だから、原作未読とお断りのうえで、こうだったら良かったのにという仮定で
勝手に人物像を掘り下げたので記録に残す。
あくまでも私的見解なので、んな訳ないやろぉな話。
まず、北川(浅野)と弟(溝淵)のぎくしゃくした関係。
金塊を前に北川が幸田(妻夫木)に大人になっておたふく風邪になり子ダネがないと話すシーンがある。
実は、妻は義弟とプラトニックだが不倫をしているのだ。(繰り返すがあくまでも私的見解)
それを気づかずにいる振りで家庭円満に過ごす北川。可愛がる息子が実は弟の子ではないかと、心の奥底で疑っている。
一方で自分を罰したくて手首を切り続ける弟。
妻は、偶然産婦人科の前で幸田に会うと、悪びれる事もなく妊娠中だと話す。
それを聞いた幸田が無意識な部分で嫌悪感を感じて欲しいが
残念ながらそういう画はない。(あくまで私的見解だから
)
だがこれで、葬儀の後「全部無くすと楽だ」と言う北川の妙なあっさりした台詞に、
ずっしり重みを持たせることができる。
ただこの解釈には金塊の前で子ダネの話を聞いた幸田の反応が無さすぎて、成り立たないか。
せめてあそこに、産婦人科前の妻と手首の切り傷を隠す弟の画のインサートがあればなぁ〜。
次に爺さん(西田)と幸田の関係。
実の父の顔を最後まで忘れていたという設定は、まあ解るとして
子供の時教会に放火をし、そのあとの記憶が曖昧な理由が描き足りない。
母親が教会で逢い引きしていたのは、浮気相手だ。
子供の幸田はそれが許せなくて火をつける。
母はそれを知っているが、自分の夫が息子を庇って自首するのを止めない。夫が居なくなる事が都合いいからか?
浮気相手の素性は明かされない。火事で死んでないのか?
3人の写真をきっかけに、「父さん…」と記憶が戻り慟哭する幸田。
写真が記憶が戻るきっかけなら、
せめてこの写真にエピソードが欲しかった。
例えば、
撮ったのが浮気相手だとか。
父は自分の事を浮気相手の子供ではないかと疑っていたとか。
残念ながらこの画もない。
爺さんが幸田に父親似かと聞くシーン。
自分に似ていて欲しいという願いがこもった台詞と思いたいが、余り伝わっては来なかったな
爺さんはなぜモモ(チャンミン)を公安と北の二重スパイに売るのか?
公安がそれほど怖いのか?
ここにもエピソードが欲しかった。
例えば、
妻の浮気相手の持ち物にハングルがあったとか。だから今も誰かれ構わず許せないのだとか。
これは少し飛躍し過ぎてます。すみません。
映画を観てもうひとつだょっていう時は、
制作者への感謝をしつつ
自分設定で楽しみましょう!