「つまらなくはないが、突っ込みどころにゲンナリする」プラチナデータ スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)
つまらなくはないが、突っ込みどころにゲンナリする
話の筋自体はさすが東野圭吾原作映画だけあって興味を引かれる内容だったのですが、見せ方の問題か、話が進むにつれて少しづつ興味が薄れてしまうこの残念感・・・何とも勿体無かった作品でしたね。
DNAで全てを管理してしまう近未来社会と言う設定は、ハリウッド映画風で面白かったのですが、突っ込みどころ満載の逃走劇が始まってからは怪しい空気が漂いはじめ、もう最後はご都合主義の極み的展開に呆気にとられてしまいました。
おそらく原作は面白いのでしょう、しかしこの映画版は見せ方がとにかく酷かった、普段洋画しか見ない人がたまたまこの映画を見たとしたら、きっと失笑するのでは?
これだけガチガチに固められた監視システムの割りに緩く逃げられる逃走劇(最初は緊張感たっぷりだったのに)には、とにかく脱力、途中からは思いのほか普通に移動してたし、警察が無能すぎてあきれました(苦笑)
トヨエツが演じた刑事もあまりに自由すぎて突っ込みどころ多数。
天才科学者・神楽を演じた二宮和也も、トヨエツも、杏も、役者陣は頑張って雰囲気出していただけに、惜しいとしか言いようがないですね。
コトの真相や真犯人は、まあそれなりに納得、でも、ここもやはり見せ方に説得力が無さ過ぎた。
大友啓史監督は、「龍馬伝」「ハゲタカ」「るろうに剣心」シリーズ等、ハズレがないイメージしかなかったですが、今回はやってしまったようで。
まあでも、ほとんど台詞がなく雰囲気だけで見せる水原希子の使い方なんかは、上手いと思いましたけどね(あの方は見た目の雰囲気だけは抜群ですから、こんな使い方が一番嵌る)
しかしマイナンバーで国民を管理する社会が始まった日本ですから、近い将来国民をDNAで管理し防犯カメラで監視する時代が来ても、もはや不思議ではないのかも。
でも、真のプラチナデータのように利用されるのが関の山ですから、とりあえずやめておいた方が無難でしょう。