劇場公開日 2012年7月14日

「男性と観ると超地雷かな(苦笑)」ヘルタースケルター 緑のカエルさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5男性と観ると超地雷かな(苦笑)

2012年7月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

ただただ自分を虚栄で着飾るだけが、幸せの目標を掴む手段と信じて止まない人間の『欲望』の物語でしょう。

この映画、特にまだ関係の浅い意中の男性誘っていくと「きみもこんなひと?」とガッカリされるかも。要注意ね。

表面上は無駄のない均整のとれた「理想的な美」なのでしょうが、中身の全く伴わないその様相からは、終始吐き気を催すほどの『醜さ』しか感じられなかった…。
映像や音、セリフや情景なにもかもがコテコテでギラギラで重くキツすぎる…。

チャラチャラとした人間達の浅はかさといい、豊かな精神や感情をみんな忘れてしまったの?と、この国の行く末が益々暗いものになっていくような不安と不快感に襲われます。

ここまで人間の底無しの欲望だけをストレートに延と見せつづけられると、そこから自分達自信でどう考えようが受け取ろうが自由だよ。と、言いたいんでしょうね。

途中でりりこと検事が水族館で会話するシーンがあるけど、背後で游ぐ魚の群れが「誰かの流れに群れなす群集・日本人」を連想してしまった。

楽屋でりりこのアザをメイクで隠すシーンで「マイケル・ジャクソンのメーキストになれるな」ってセリフがありますが、虚栄のためだけに整形したりりこと、MJを同一視点でとらえたところも疑問。
MJ は金のための道具にしかとらえなかった父親と同じ血や顔を持つ自分への否定の形だったのだから。

唯一救えたのは検事の最後のセリフかな。
それまでオシキセずにストレートに話を淡々と描き、最後にだけさりげなく製作者からのメッセージにしたかったのかな。

緑のカエル