「美しいことと、幸せは別物」ヘルタースケルター harukitaさんの映画レビュー(感想・評価)
美しいことと、幸せは別物
美を追求し、全身整形によってスターダムにのし上がったリリコの狂気に満ちていく様は、あたかも「ブラック・スワン」を思わせる。女性監督らしい美しい色彩とファッションで魅せる2時間。リリコを演じる沢尻エリカの(露出度的にも)身体を張った演技、脇を固める桃井かおり、寺島しのぶ、大森南朋といった実力派の面々。
しかしながら「ヘルタースケルター」のタイトル通りストーリー的にも"ヒッチャカメッチャカ"である。
見所を聞かれたら、エリカ様の裸と無駄にあるラブシーンとゴージャスな色使いだろう。美しいものを見たい人にむく映画なのかもしれない。ワンカットずつ見るには画的に綺麗だし良いのだけど、映画として観た場合それはどうだろうか。写真家の監督の悪い面が出てしまったのではないだろうか。原作は未読なので、原作のトーンが出ているかは不明だが、少なくとも映画としては?が付く。
こういうキャラで固定されていってしまう沢尻エリカは可哀想な気がする。女優としての可能性を潰して欲しくない。「母なる証明」「アジョシ」で見事演技派に変貌したウォンビンのように、きっとまだまだいろんな役が出来るはずだと思っている。
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伽魅路さんのコメント
2012年7月16日
そうですか?りりこ=沢尻エリカはハマり役だったと思いますが。
常にトップで居続けたい、居続けなければいけないという強迫観念や悩み、それを誰にも相談できない苦しみを沢尻エリカは表現していたと思います。
僕は彼女の次回作に期待しています。