「存在感と普遍性」ヘルタースケルター xtc4241さんの映画レビュー(感想・評価)
存在感と普遍性
沢尻エリカはスキャンダルだ。
その沢尻エリカが、どんな演技をするのか?
もっと突っ込めば、どれだけセクシーな演技を見せるのか?
そういった第1の欲望は・・・
はじめの15分で満たされたといっていいだろう。
りりこはためらいなく、男と寝る。
過激ともとれるセクシーな映像が迫ってくる。
第2の理性的欲求は・・・
そこに訴えるものは希薄だったと言わざるをえない。
現代の消費社会の欲望の餌食になってばかり。
りりこはそのなかで苦しむが、
それを否定しない。自分自身を否定するものになるから。
第3の普遍的欲求は・・・
りりこが妹と会うシーンがある。
ここに沢尻エリカとしての人間的な顔を見せていたなら
と思う。そこにみんなを納得させるチャンスがあったのに。
みすみす、逃してしまったと思った。
かなり、分析的に書いたのだが、
これは監督の蜷川実花によるところが大きいとは思う。
でも、沢尻エリカは作品に出演するのは自分にあっているか
どうかであって、自分が決めると言っている。
だから、ふたりのコラボレーションなんだろう。
それにしても惜しい気がする。
その演技力は映画「手紙」で十分発揮されていた。
この「へルタースケルター」は復帰1作目として、
沢尻エリカがどんな方向に行くのか、ひとつの方向を
見せたとおもうが、別の方向もみせてほしいと思う。
いろんな可能性をもっていることは確かなのだから。
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