「ハリウッドにやられた!」パシフィック・リム かせさんさんの映画レビュー(感想・評価)
ハリウッドにやられた!
ギレルモ・デル・トロ監督が、満を持して制作した巨大人型ロボットアクションの金字塔。
【ストーリー】
太平洋から次々と、圧倒的な破壊力を持つ巨大生物KAIJU(カイジュー)が出現し始めた。
各国の技術の粋を集めて作り上げた巨大人型ロボット・イェーガーが、人類の存亡をかけて襲いくるカイジューを迎撃するのだが……。
イェーガーは二人乗り、パイロット同士が右脳と左脳となり、ドリフト(同調)して操縦する。
アメリカのイェーガー・ジプシーデンジャーのパイロット、ベケット兄弟は嵐の中サンフランシスコに現れたナイフヘッドの迎撃に出動する。
逃げ遅れた漁船を守りながらの海上での戦いとなり、辛くもナイフヘッドを撃破するが、ジプシーデンジャーも破壊され、ベケット兄を喪ってしまう。
弟のヤンシーは悲しみにくれてイェーガーを降り、4年後、人類の防衛線・命の壁で作業員として働いていたが、イェーガー計画の司令官スタッカーに呼び戻される。
「イェーガー計画は中断されるが、命の壁では、カイジューを止められない」
そう語ってスタッカーは、完全に修復させたジプシーデンジャーをヤンシーに見せる。
悩むヤンシーだが、スタッカーの側近にして有能な候補者の一人マコとドリフトし、ついにジプシーデンジャーに搭乗することを決断する。
公開当時から「なぜこれを日本映画界が作れなかったのか!」と国内から驚嘆の声が上がるほど、日本のマニア好みの設定と細部まで作り込まれたメカ描写の秀逸さ。
とにかく各国のイェーガーが魅力的。
主人公機ジプシーデンジャーをはじめ、ロシアのチェルノアルファ、ライバルのハンセン親子が乗るストライカーエウレカ、そして三人乗りのクリムゾンタイフーンといったメカとそのパイロットは、いずれも個性的で、それぞれ全く違ったコンセプトで戦う。
自分はチェルノアルファ激推しです。
カイジューもそれぞれに名前と個性がある。
オニババ、ヤマアラシ、オオタチ、ライジュウなんて日本的な名前も多い。
ちなみに泣き叫んで逃げる幼少期のマコ(芦田プロ)を助けたイェーガーはスタッカーが操縦するコヨーテタンゴで、その時彼女を執拗に追い回したのがオニババである。
「おお……なんと痛ましい……こんないたいけな幼女をここまで泣かせるなんて、デル・トロめ! 彼女を死ぬほど恐ろしい目に合わせたに違いない!」
芦田プロの泣き叫びが迫真すぎて、なぜかデル・トロ監督が周りから冷たい目で見られて心底まいったとか。
といったどうでもよさげなトリビアを胸に、さあ見よう楽しもうこの超ド級ハリウッド製ロボット映画を!
共感、コメントありがとうございます。
確かにテーマ曲最高です。あの重厚な感じがたまらない。
地元の映画館では、入場開始から予告編までのBGMで、いつも流れてます。
名前は全く覚えられないままに楽しんだ本作でしたが、このレビューでそれぞれの名前をあらためて知って嬉しいです。
そして芦田プロへのコメント。俺は芦田先生と呼んでいますが、同様の方がいて、これも嬉しいです!