「あ~、面白かった!」パシフィック・リム CBさんの映画レビュー(感想・評価)
あ~、面白かった!
観ました。ようやく。IMAX 3D版になったことで、本作も劇場で観る機会を得ることができました。楽し~!
先日、録画してあった 「山田孝之のカンヌ映画祭」 というドラマを一気見した。その中で芦田さん(2017年の放送だから、当時14歳か)は、"母に殺されかけて蘇生し、母への復讐を誓う" という凄惨なシーンで、「気づいて、立ち上がったシーンで、叫びましょうか?」 と、自ら提案している。その叫びは、本作(2013年公開だから、撮影は前年の2012年として当時8歳か)で鍛え上げられていたんだなあ、と変なところに感心した。
ギレルモデルトロ監督は、その後2017年に半魚人と女性の恋を描いた 「シェイプオブウォーター」 でアカデミー賞(作品賞・監督賞)をとるまでになったが、本作では楽しそうだ。押井守の「パトレイバー」好きと聞けば、本作でのオマージュがよくわかる。自分はマンガでしか 「パトレイバー」 を読んでいないが、あのアクションシーン、ロボットが怪獣を殴る、倒すシーンをとにかく実写でやりたかったんだなあ、とめちゃくちゃ伝わってくる。鑑賞中は、それを知らなかたので、テロップで、「レイ・ハリーハウゼンと本多猪四郎に捧ぐ」 と出る割には、怪獣の造形が少し違っている感じだなあ・・と思いながら観ていたが、「パトレイバー」 リスペクトと聞けば、怪獣の造形もなるほど、と思わせるものだ。(自分はやはり円谷プロ・東宝が生み出してきた怪獣たちの造形の方が好きだが)
異次元とのトンネルがある深海の海溝からやってくる怪獣たち(ウルトラマンAリスペクトなわけね)。やつらから人類を守るのは、巨大ロボット "イェーガー"! それは、人間の脳神経系と連動し操作されるロボットだが、ひとりの人間では脳の許容量を越えて健康を害してしまうため、必ず操縦者はふたり。ふたりの脳がよく同期しているほど、高い性能を生み出せる(ドリフトテクノロジー)。このあたりは、怪獣もの好きの心をくすぐる科学っぽいテイストをほどよく突っ込んであって、めちゃくちゃいいね。
乗りこむ際のスーツ。背中には明らかに脊髄から信号を取得するためとわかる部位があったり、着てヘルメットをかぶった後に、信号をよりよく取得するための "ジェル注入" という工程があったり。まあ、オタクがほとばしって楽しい限り。それらしくていいよ!!!
本作は、とにかく闘う、格闘する、爆発する。ほぼそれだけのストーリーだ。これでもか、これでもかと繰り返される。とにかく、「それを撮る!」 という決意に溢れた作品だ。それも今回は3D IMAXだ。みんな、ちゃんと体力のある時に観なきゃ、押しつぶされちゃうよ!
この当時のCGでもなお、夜の格闘、海での格闘になるのは、しょうがないところなのだろう。これを白昼の街中シーンとしてCGを作ろうとしたら、無限の時間と資金が必要になっちゃうんだろうな。今ならできたりするのかな(2021年)?
そういうわけでめちゃくちゃ楽しめました、ということで終わりでもいいんだけれど、さてなんの話だったんだろうと振り返っちゃう。よけいなことだが・・
かって少女時代に助けられた恩人を、立派な若者になったいま、逆に救う話か?違った。
ふたりの心をひとつにすることが大事だ、そこから拡大して、みんながお互いを信じてひとつになることが大事だ、ということを説いているのだろうか?
ああ、やはり怪獣映画を観て、そんなことを考えている自分が馬鹿だ、無粋だ。 「あ~、面白かった!」 それだけで十分価値があるじゃん!!!
思えばここから怪獣人気が再燃しましたよね。
ハリウッドゴジラに繋がり、デル・トロはモンスター映画でオスカーを受賞し…。
日本でも『シン・ゴジラ』で復活し、“シン・シリーズ”や今年はNetflixでガメラの新作や待望のゴジラ新作!
本作の功績は大きいです。