劇場公開日 2013年8月9日

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「日本の魂を受け継いだ傑作」パシフィック・リム MASERATIさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0日本の魂を受け継いだ傑作

2017年9月1日
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鑑賞方法:DVD/BD、映画館

巨大怪獣に巨大ロボットで戦いに挑む。
日本で往年描かれたそのテーマにハリウッドが新たな命を与えたと言える作品だ。映画としては無理矢理感がある。冒頭でナレーションとして作品の世界観を無理矢理伝えてしまうなど、上げたらキリがないほどだ。しかしこれを作ろうとした製作陣と監督に拍手。ド迫力のCG、スケールなど日本の映画の予算では到底出来ないものを見事に作り上げるハリウッド。流石である。これだから、ハリウッド映画が好きなんだ。これからの作品も楽しみで仕方ない。

ハリウッドのSFアクション映画のため、映像だけ楽しめば良いのかもしれないが、ストーリーもそれなりにきちんと作られている。オマケ程度の内容のため心に残る展開ではなかったがいい加減とまでは感じなかった。登場人物も多く全員が個性的なのでやり取りを観ていても退屈はしない。また、本作は「ヘルボーイ」のギレルモ・デル・トロ監督だが、ここでも彼の独特な世界観が滲み出ている。建物や背景の色、細かな部分までピンクやイエロー、パープルなどの彼ならではの配色が目白押しだ。よって少々落ち着かないイメージが強くなってしまったが、作品には合ってると思う。

迫力は中盤以降の香港戦がベスト。ビルを突っ切り、車を吹っ飛ばし、船で殴って打撃を与えたりなど興奮レベルは頂点に。よって最後の海溝(裂け目)での戦いはやや迫力不足に感じる。一番大きいスラターンという怪獣が出てくるが、海の底には基本何もないため大きさの比較が出来ない。直前の香港戦のイェーガーの大きさ配分を脳内で作る必要がある。迷惑な話だが、最後にこそ一番大きい怪物が一番大きい都市に上陸して欲しかった。そこが残念なところだ。しかし最高の映画体験は約束できる。私は劇場に8回観に行ったが、誰が観ても興奮間違いなしでは無いかと思っている。ぜひ観て欲しい。

Mina