「壮大かつミニマル」ゼロ・グラビティ marさんの映画レビュー(感想・評価)
壮大かつミニマル
単身で宇宙空間に放り出されたら…。
想像するだけで背筋が凍るようなシチュエーションを、
とにかく美しい映像で描いた作品。
劇場で観なかったことを激しく後悔しています。
演出として一番すごいと思ったのは、
壮大な宇宙空間にぽつんと浮かぶ主人公にズームアップしていって、
ヘルメットを通り抜け、主人公の主観にまでシームレスでつながるところ。
壮大すぎる空間と、そこでは無力で小さな人間。
この対比が主人公が感じている圧倒的な絶望感の描写に、
確かな説得力をもたらしています。
ラストシーンまで緊張感は緩むことなく、90分はあっという間。
完全に見入っていて体に力が入っていたのか、
鑑賞後にはうっすら疲労感すら覚えるほどでした。
いずれにしても、SFではあっても描かれているのは主人公の心理。
良質なヒューマンドラマとしてもオススメできる傑作です。
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