「アンタッチャブルにはかなり及ばないなぁ」L.A. ギャング ストーリー gsacraさんの映画レビュー(感想・評価)
アンタッチャブルにはかなり及ばないなぁ
「マフィアと対決する、力による解決も厭わないチームの物語」って、アンタッチャブルじゃないか!と楽しみにしておりました。
見始めてからも、ついケビン・コスナーのアンタッチャブルと比較しながら鑑賞しました。
で、本作は残念ながら及びませんでしたね。
敵役ミッキー・コーエンを演じたショーン・ペンは今作でも良い存在感。笑っていても、「腹の中で違うこと考えてる」というのが伝わってきます。
冒頭にはかなり衝撃的な処刑シーンもあったり、「おっかないマフィアのボス」であることは分かるのですが、どうにも「アンタッチャブル」でデ・ニーロが演じた「アル・カポネ」ほどの怖さが感じられません。振り返ると、「大物感」が薄いためかもしれません。チンピラのまま偉くなってしまった人、という感じでしょうか。
翻って主人公チームを見ると、主役であるジョン・オマラ巡査部長のキャラが立ってなかった影響が大きいですね。
他のメンバーはそれぞれ個性も理解でき、行動・言動に共感できました。
でも、メインであるオマラのキャラがよく判りません。
やたら好戦的なのが戦争の後遺症なのか、それっぽい描写もありますが、掘り下げが浅く、共感までは至りません。理解したのは、「この人感情優先なんだな」というくらい。
正直、「なんでそういうことするかな?」と行動に疑問を感じてました。
そして最悪といって良いくらい酷かったのがラストの決着シーン。「取ってつけた」という表現がこれほどぴったりくる演出はめったにない、というくらいひどい展開で、スケール感を更に縮小させ、私の気持ちもエンディングに向けて急降下で盛り下ってしまいました。
エマ・ストーンは綺麗でしたし、ライアン・ゴズリングは見ていて楽しかったし、ニック・ノルティを久々に拝見できた嬉しかったのですが、、、残念です。