図書館戦争 革命のつばさのレビュー・感想・評価
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ラストまで全力で恋して疾走する笠原郁
有川浩改め有川ひろの同名原作を映画化。
監督はテレビアニメからそのまま浜名孝行。
【ストーリー】
昭和が終わり、元号が正化に変わったとほぼ時を同じくして、「メディア良化法」という言論監視法案が可決する。
メディア良化法委員会は法を盾に武力での表現弾圧を、日本全国で行なっていた。
これに対抗して作られたのが、武装してこれに対抗する図書特殊部隊、通称「図書隊」である。
そして正化34年。
頭が悪くて直上的で、足のめっぽう速い女子・笠原郁図書士長が、あこがれの王子様・堂上篤二等図書正の所属する部隊に配属される。
やっとデートにこぎつけた笠原と堂上だが、『原発危機』で最高裁判所での判決を待つ作家・当麻蔵人の警備任務を命じられる。
軍事サスペンス作家として盤石の地位を築いていた当麻。
だが実際に自分が弾圧をうける立場に立たされて、メディア良化隊の非道ぶりと、本を、そして言論の自由を守る図書隊の戦いがいかに苦しいものかを実感する。
本編最終巻『図書館革命』の映像化です。
今では多数の作品がメディア化されている有川ひろですが、映像化はこの図書館戦争のアニメが一番最初です。
図書館戦争といえば、笠原の友人柴崎です。
異論は認めます。
アニメでは声・沢城みゆきさん、実写では栗山"ゴーゴー夕張"千秋と、最強のお色気キャスティングがなされています。
やったぜ。
今回ピックアップしたいのがこの沢城みゆきさん。
その活躍ぶりなんかはWikipediaにゆずりますが、当作のアニメ化で原作者とつながりができて、演劇方面での交流もあった模様。
劇団活動の裏側と苦闘を描いた『シアター!』というシリーズのあとがきで、そのあたりの経緯もチラッと書かれてたりして両方のファンにとっては大変喜ばしい舞台裏です。
当作品公開の前年に、当時沢城さんが所属していた劇団で舞台化もされてるそうです。
物語のキーマンとなる当麻役のイッセー尾形はさすがの巧さ、と思いきや、初の声優仕事はタイミングで相当苦労したもよう。
映像見てても判りますけど、声出すのむずかしそうですもんね、アフレコ。
ちなみにモデルは作家のトム・クランシー。
そう、『レッドオクトーバーを追え』『パトリオットゲーム』『トータル・フィアーズ』などのジャック・ライアンシリーズのあの人です。
Poduction.IG謹製の高品質な作画で、端々まできっちりと作りこまれた当作品ですが、一点だけ言いたいことがあります。
天ぷら屋。
柴崎のお箸の取り方、ダメだよね(´・ω・`)
全体非常に満足しましたが、その一点だけ減点して、☆5とさせてもらいます。
つばさとは?
2022年5月4日
映画 #図書館戦争 革命のつばさ(2012年)鑑賞
原作が大好きだったので、実写版も見てました。#岡田准一 と #榮倉奈々 が原作のイメージどおりだったと記憶してます。
アニメ版は、少し可愛らしいキャラになってる感じがしました。
ちゃんと完結してました
TVの続編で完結編でした
原作、実写は見てはいないのでニュアンスや結末の違いがあるのかはわかりませんが、
シナリオに大きな破綻もなく、スッキリといい形で終わっており、すがすがしい気持ちになりました
何かの機会に見かけたら、リピありです
アニメ版よりは面白かった
前々から観ようと思ってた「図書館戦争」。
原作は小説で、アニメ化されたのは2008年だからもう4年も前か。。
ちょうど今劇場版をやってて、観ようかどうか悩んでた。ので、まずはテレビ版を全部観てから劇場版観ようと思って、良い機会なのでアニメを観たわけです。
・・小説の方はまだ読んでないけれど。
まぁ、DVD借りるまでも無いので、ネットで観ました。制作者の方たち申し訳無いです。。。
アニメの制作は「プロダクションI.G」。
日本でも最高峰のアニメスタジオなので、クオリティについては、観る前から高いのはわかってた。で、実際にかなり高かった。そういう意味で、「アニメ的な出来」はすごく良かった。
ただ、自分が興味を持った設定は、政府が焚書を合法化(メディア良化法だったか?)し、「良化隊」という武装組織を用いて焚書を実施しているのに対して、各図書館は独自の武装組織「図書隊」を作り、それに対抗しているという環境。この設定が面白かった。この設定の中で、登場人物達がどういう行動を取り、どんなドラマが生まれるか、それが観たかったのだ。
ちなみに、この設定は、まんまレイ・ブラッドベリの小説「華氏451度」の世界観で、アニメ版でも「予言書」として登場してたので、間違いなくこの小説から拝借した世界観なんでしょう。
・・のだけど、まぁ、アニメ的と言えばそれまでだけど、とにかく「恋愛」要素が強すぎて、設定はもうどうでも良くなってしまうようなストーリー、恋愛色ベタベタで終わっちゃったんだよね。。テレビ版のアニメは。
わかる。こういうストーリーになるのはよくわかる。
アニメは子供をターゲットにしてるわけだし、自分も昔はよくこの手のアニメを観て楽しんでたわけだから。けどなー、大人になった自分の立場から言わせると、こういうストーリーになるなら、こんなややこしい設定を使う必要ないわけだ。
スタジオも「プロダクションI.G」だし、自分の大好きな「攻殻機動隊 S.A.C」のような、骨太のストーリーを期待してたんだけど・・やっぱりあれは監督が神山さんだったから、なんだろうな。。
で、アニメ版を一気に観て、ちょっと失望したわけだけど、映画版はもっと面白い展開を期待して、その日のうちに劇場版を観に行ったわけです。行動は自分の中で熱を持ってるうちに起こした方がいいので。
劇場版は、アニメ版よりはよく練られたストーリーだったように思う。そういう意味で楽しめた。大阪の中之島なんてよく知ってる土地も出てきたし。東京も大阪もどっちも知ってる自分としては、土地観がはっきり分かるってのは、他の人より楽しめる要素だったように思う。武蔵境駅とかも出てきたもんなー。懐かしいね。スタジオがあるのかな?アニメスタジオは中央線沿いが多いからな(笑)
ただ、最後は何と言うか「当たり前」の結末だったように思う。
小説の方観てないから、そもそも「何故、メディア良化法なんてあり得ない法律が制定されたのか」、その経緯はわからないんだけど、今の政治制度の中で「メディア良化法」が成立するってことはあり得ないんじゃないか?
主人公達の活躍で国際世論の後押しがあったとは言え、国会の審議で「メディア良化法」が無くなってしまうくらいなら、そもそもこんな法律制定されるはずが無い。何かしら違う政治制度で成り立っている組織(国)という前提でしか、この法律は成立しないものでしょう。それこそ「華氏451度」の世界のように。
タイトルにある「革命のつばさ」、たしかに主人公達が行ったのは一種の「革命」なんだろうけど、ちょっと呆気なさすぎる。。。すげー物足りない。。
元が小説の割には、環境設定甘いんじゃないだろうか?
それとも、小説自体があまり練られてないのかな?
期待した割には残念な結果に終わった。
まぁ、高校生くらいまでの子供だったら十分楽しめる内容ではあったと思うけど。
小説などのフィクションの設定を考えるのであれば、「環境設定(ゲームのルール)」だけはしっかり練り、その上で登場人物達を遊ばせるようにしてもらいたい。自分はそういうの細かいところ観るのが好きなので。そうすれば、アニメとかに展開してもしっかりとしたバックボーンになるわけで。
もっとも、そういう作品作れる監督さんって数が少ないんだけどね。
実写版より面白い
表現の自由を束縛し、メディアの監視権を持つメディア良化隊は、原発テロを機に作風がそのまま教科書として利用したのではないかと疑い、作家の当麻蔵人(イッセー尾形)を監視し続けることになった。初デートを楽しんでいた笠原郁(井上)と堂上篤(前野)は柴崎麻子(沢城)から呼び出され、当麻の警備を担当することになった。
TVシリーズのアニメ版には時代設定や、図書隊側と良化隊側の詳細が描かれているのかもしれないが、この劇場版ではかなり省かれているため理解するのが困難。なぜか双方とも武装が認められていて、許可さえ出れば銃撃戦も可能という。ただ、市街地での発砲は警官によって阻止されたところを見ると、複雑な立場があると想像できる。
当麻は良化隊の基地へ移送され、良化委員会を相手取って憲法違反であると告訴し、その裁判過程が主軸となる前半。やがて最高裁では政治力によって敗訴が濃厚となった段階で、笠原の提案で当麻を亡命させる作戦をとるのだ。その亡命作戦がクライマックスで描かれているのだが、どこの大使館へ行こうにも良化隊によって阻まれてしまう。憧れの教官堂上が発砲され重傷を負い、笠原の運転で大阪まで向かうという無謀な行動を採った。かなりの軍事力をもって絶体絶命の危機になったとき、イギリス総領事館の車がかけつけて無事解決。
現実にはない仮想近未来の出来事だが、ネットの世界はあまり重要視されてないことからも、かなりアナログへの回帰が見受けられる。それでも焚書坑儒から始まる、権力者側からの検閲や閲覧禁止という横暴は、歴史は繰り返すという言葉通り、いつの時代でも行われるものだという恐ろしさが感じられる。ただ、作品上では憲法第21条の“表現の自由”は生きており、図書隊側の最後の砦となっていること。自民党政権が復帰した現在においては、この憲法自体が冒されようとしている事実を考えると、甘い設定だとも言えないか。さらには、どんな書物が規制されているのかサッパリわからないのも弱点だし、恋愛部分がメインになっているのは明らかに客に媚びているとしか思えない点も・・・
実写版も良かったが、こちらもなかなか!
有川浩のベストセラー小説の、こちらはTVアニメの劇場版。
原作小説は未読、TVアニメも未見、岡田准一と榮倉奈々の実写版だけ見たという完全なるミーハーな自分。
実写版は思いの外面白かったが、こちらもなかなか。実写版で基本的な世界観も設定も分かっていたので、お陰ですんなり見る事が出来た。
冒頭は笠原と堂上のデート。
実写版ではまだ淡い関係だったのに、いつの間にそんな仲になってたの!?(笑)
とは言ってもラブラブカップルではなく、上司と部下のお付き合い。
デートの最中、緊急招集がかかる。
続発するテロの手口が小説家・当麻蔵人の作品に酷似しているとして、メディア良化委員会の標的にされた当麻の身辺警護を任される。
これまで本を摘発してきた良化委員会が、作家狩りにまで手を伸ばし始める。
表現された自由だけではなく、表現しようとする自由まで奪おうと言うのだ。
この作品が面白いのは、以前実写版のレビューでも書いたが、エンターテイメント性と骨太なテーマのバランスが絶妙な点。
表向きはアクションと胸キュンラブコメで人気だが、本と表現の自由への訴えが疎かにされていない。
エンターテイメント小説ばかり書いていた当麻は自分には良化法は関係ないと思っていたが、標的にされ、書く事に悩む。
同時に、本や表現の自由を命懸けで守る図書隊の存在に強い感銘を受ける。
劇中で当麻が語っていた、次回作の構想。
吟遊詩人を主人公にしたファンタジーながら、それは紛れもなく、自由を奪おうとする良化法やそれに立ち向かう図書隊をベースにしたもの。
作家は書く事で、世の在り方と戦う。
笠原と堂上の恋模様や仲間との友情、コミカルなやり取り…元々漫画的な設定な為、アニメになっても全く違和感ナシ。
実写版では栗山千明が演じていた笠原の友人・柴崎のいい女っぷりが際立っていた。
画のクオリティも高い。
TVシリーズも見てみたくなった。
それから、実写版の続編も。
正直あと一歩
劇場で見れて良かったと素直に思えた作品です。
テンポも良く、最後まで飽きることなく見れました。
本当は4.5にしたかったのですが、
ラストの見せ方?(演出)が微妙だったのと、
後日談をエンドロール後にしたほうが満足感がUPしたのかなと思い減点です。
予想を超える骨太の作品
原作は読んでおらず、TVアニメも全話観ていない「もどきファン」の私だが、何故か仕事がいつもより早く終わったこともあって、衝動的に観に行った。
結論を言うと「観てよかった、予想以上に面白い」であった。
活字本が禁止された世界を描く作品には、映画化もされたレイ・ブラッドベリの「華氏451度」があるが、それがあらゆる本の存在を許さず徹底的に焼却してしまい、人々はわずかに口語伝承で本の内容を保存する世界を描いているのに対して、この作品の世界では全面禁止ではなく、多くの人々はそれほど思想統制に対して危機感を持っていないように見える。
活字中毒を自認する私から見れば、図書が誰にとって有害かどうか分からない基準で検閲される世界など耐えられないが、活字離れをしている人から見れば「別にどうでもいい事」なのかもしれない。しかし東京都の「非実在青少年」の例を見るように、いつそれがどんな形で牙を剥いてくるか分かったものではない。
ストーリーはTVアニメの延長線上に、うまくキャラを立て、様々なエピソードをはめ込み、ご都合主義を感じさせず進んでいく(ただ児島さんはいい人過ぎるように思うが)。
前線での戦いの描写のみに陥らず、戦いの主眼を問題の根幹たる「メディア良化法」の存在を正面から問い直す方向に持っていくのも納得できる展開だ。
この作品の影の主役とも言うべき当麻蔵人の、当初の日和見の事なかれ主義から、次第に自分も含めての書く権利、読む権利へ目覚めていく姿こそ、この作品の制作スタッフの主張であり、願いであるような気がする。表面上のギャグや男女関係のベタな描写の奥に、骨太な思想をみるのは私のうがち過ぎだろうか。
もし観ようかどうか迷っている人がいるなら、「是非観てください」と自信を持って勧めたい。
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