劇場公開日 2012年6月16日

「実写版も良かったが、こちらもなかなか!」図書館戦争 革命のつばさ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5実写版も良かったが、こちらもなかなか!

2014年1月12日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

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有川浩のベストセラー小説の、こちらはTVアニメの劇場版。
原作小説は未読、TVアニメも未見、岡田准一と榮倉奈々の実写版だけ見たという完全なるミーハーな自分。
実写版は思いの外面白かったが、こちらもなかなか。実写版で基本的な世界観も設定も分かっていたので、お陰ですんなり見る事が出来た。

冒頭は笠原と堂上のデート。
実写版ではまだ淡い関係だったのに、いつの間にそんな仲になってたの!?(笑)
とは言ってもラブラブカップルではなく、上司と部下のお付き合い。

デートの最中、緊急招集がかかる。
続発するテロの手口が小説家・当麻蔵人の作品に酷似しているとして、メディア良化委員会の標的にされた当麻の身辺警護を任される。

これまで本を摘発してきた良化委員会が、作家狩りにまで手を伸ばし始める。
表現された自由だけではなく、表現しようとする自由まで奪おうと言うのだ。

この作品が面白いのは、以前実写版のレビューでも書いたが、エンターテイメント性と骨太なテーマのバランスが絶妙な点。
表向きはアクションと胸キュンラブコメで人気だが、本と表現の自由への訴えが疎かにされていない。

エンターテイメント小説ばかり書いていた当麻は自分には良化法は関係ないと思っていたが、標的にされ、書く事に悩む。
同時に、本や表現の自由を命懸けで守る図書隊の存在に強い感銘を受ける。

劇中で当麻が語っていた、次回作の構想。
吟遊詩人を主人公にしたファンタジーながら、それは紛れもなく、自由を奪おうとする良化法やそれに立ち向かう図書隊をベースにしたもの。
作家は書く事で、世の在り方と戦う。

笠原と堂上の恋模様や仲間との友情、コミカルなやり取り…元々漫画的な設定な為、アニメになっても全く違和感ナシ。
実写版では栗山千明が演じていた笠原の友人・柴崎のいい女っぷりが際立っていた。
画のクオリティも高い。

TVシリーズも見てみたくなった。
それから、実写版の続編も。

近大