「10回観て感じた違和感」シン・エヴァンゲリオン劇場版 magiさんの映画レビュー(感想・評価)
10回観て感じた違和感
※貞エヴァ夏エヴァ履修済み。TV版もリアタイ世代ではないですが観てます。
アンノ監督の私小説というメタ的側面からするとハッピーエンド大円団。だと評価できます。
が、10回観てふつふつと違和感が言語化されてきました。
以下、良かった点と悪かった点。
素人の呟きですので、悪しからず。
◎良かったところ
これまでのエヴァンゲリヲン新劇場版
→綾波ボイス×エヴァ文字
いいですね。すごくエヴァっぽい気がします。エヴァ文字と綾波ボイスは良い組み合わせ。エヴァのヒロインはやはり綾波です。
レーションがしがしアスカさん
→やたらと凝った撮り方してましたね。面白かったです。が、そんなに力を入れるべきシーンなのかは非常に疑問。マリがヒロインならマリにやらせるべきだったと思います。
サクラとピンク髪の娘が銃を向ける場面
→ピンクちゃんはウザがられがちですが言ってること正論だと思います。初見でかなり印象悪かったですが、2回目、3回目と観るうちに納得しました。みんなでシンジ君ありがとう。だと内輪すぎて違和感があるのでその他の人の立場としてあの場面は良かったです。
ミサトさんが髪を下ろす場面
→ありがちな感想で申し訳ないですが、サングラスかけ始めてからTVシリーズからお馴染みのミサトお姉さんがいなくなった気がして寂しかったので最後にいつものミサトさんが見られたのは良かった。
幼少アスカの『作画』
→前後関係は不明でしたが、文句なしの可愛さでした。セカンドインパクトで常夏なのは日本だけなんですかね。
◎イマイチだったところ
音楽
→シンエヴァを観てからアニメ版や序破Qを改めて観ましたが面白すぎてびっくりしました。今作は音楽の印象が弱すぎます。ヤシマ作戦のテーマ並みの曲が欲しかった。というか越えられないなら序破やアニメ版の緊迫感のあるBGMを使って欲しかった。
第三村
→眠い長い。必要なシーンだとはわかりますが、もう少し短く出来ないものか。朝一で9回目のエヴァに行ったときあの部分は寝ました。エヴァは序破Qを軽く観たくらいの同行者と行ったときには訳分からんと言われていました。アヤナミレイ(仮称)がとても可愛いことしか伝わりません。
マリというヒロイン(?)
→ここですね。これが一番地雷でした。
メインヒロインに格上げするならにゃーにゃー言ったり趣味の分かれそうなキャラクターにせずに霧島マナくらいの設定にして欲しかった。彼女自体は嫌いではないのですが、アスカを可愛がるお姉さんのイメージが強く、彼女が姫と呼ぶアスカから主人公を取り上げてしまうのはわからんです。そもそも(新劇とは関係ないですが)貞エヴァの『夏色のエデン』の印象が強すぎて、母親世代の人をヒロインにするのはちょっと......。破ではめちゃくちゃレイがヒロインしてたのに意味不明です。「綾波ッ、来い!!!」はどこへ。マリとシンジだとお姉さん感強すぎませんかね。非オタクの友人は彼女の鼻歌とにゃーにゃーに引いてました。
ケンスケとアスカ
→この二人がくっついた/今後可能性があるとも思えるように描く必要があったかは不明です。アスカはエヴァのアイドルだったと思うのでシンジ以外ならわざわざ誰かとくっつける必要はないと思います。
神木くん
→神木くん自体は好きですが、突発的すぎて。緒方さんに最後までやって欲しかったです。
ラストシーンについて①
→碇シンジくんは28歳になっても「胸の大きい良い女」とか下品なこと言わないと思います。良い女はまだしも胸とは。あれ誰ですか?そういう意味では緒方さんの声を使わなくて良かったかもしれません。もはやマリ姐さんの求めた世界のシンジなんじゃないですかね。
ラストシーンについて②
→そもそも大人になったシンジくんが一人で駅から出て行くので良いのでは。個人的にはそれが一番良かったと思います。アンノさんと妻というメタ的解釈に行き着いてしまいますね。
One Last Kiss
→良い曲ですがBeautiful worldに比べると尖っていないというかイマイチだと思います。残酷な天使のテーゼで良くないですか。(あくまで個人の感想です。)
『なんかよくわからないけどすごいものを見たという気持ちにならない』とどこかの評論家の方が書いていた感想に同意です。私は夏エヴァで補完して終わらせようと思います。
これは平和でポップなエヴァですね。
別物として受け入れます。
アンノさんが現在幸せなのは大変いいことですし、関わってきた皆様には長年ありがとうございました。お疲れ様です。が、
妻への熱烈なラブレターにエヴァーを巻き込むのは御免こうむりたいニャ......
おさらばです。全てのエヴァンゲリオン。