「神話となった作品」シン・エヴァンゲリオン劇場版 IGTさんの映画レビュー(感想・評価)
神話となった作品
長期に渡り愛された作品であり、都度ファンから物議を醸した作品が遂に終わりました。
私の予想を覆して、今まで見てきたファンの為に答えを合わせをしてくれたなと思いました。その辺は賛否両論ありそうとは思いますが、庵野監督が次の世代にエヴァを託したのだと感じました。
1番の良かったところは、シンジくんの成長を遂に見れたことです。それに尽きると思います。現実を受け入れず、毎回逃げていたシンジくんが父親と向かい合ったのは感動しました。
また、其々の問題を抱えた人々は成長が見れて良かったです。綾波は人の心持ち、アスカは頼れる人を見つけ、ゲンドウは妻を見つけ、ミサトさんは復讐ではなく守るものの為に戦い、リツコさんは愛を捨てゲンドウを断ち切り、カヲルくんは自身の幸せを見つけました。随所に旧劇場版との決別が描けてていて良かったです。
(マリの存在に関して)
殆ど答え合わせをしたのに、あえて新劇で初参加のマリだけを謎のままに残したのは素晴らしいと思いました。
マリはゲンドウの大学時代のよしみのようなので、実年齢はゲンドウたちと同じでありながら、見た目はチルドレンたちと同じ、つまり唯一大人と子供の間にいる存在です。だから、シンエヴァの重要人物となったのだと思います。
また、大学時代のニックネームから、エヴァの生みの親(神の子の母)であり、補完計画反対派(叛逆者)であったのではと考えています。
ラストの終わりで、マリが突然中心になったのは、全てを知っている存在であったから唯一シンジくんを救える立場であったと思います。
(4本の槍に関して)
映画の途中で槍がロンギヌスとカシウス以外に2本出てきましたが、あれは現実と虚構を表すのかなと勝手に思いました。私だけのイメージではロンギヌスが死、カシウスが生だったので、後半に現実と虚構の話になったのが理解出来なかったので、もう2本の槍がそうなのだと解釈しました。
また、最後の方は虚構から現実になっていくのが強かったので、皮肉を込めて私たちファンを現実に引き戻す意味も込められているのかと思いました。
(エヴァの呪いに関して)
新劇から追加されたエヴァの呪いは、どっち付かずの状態の象徴かと思いました。カヲルくんや綾波は使徒と人間、アスカは子供と大人というように真ん中にいることを指していたのかなと思いました。(マリは色々と狭間にいる存在として扱われてると感じます)
(まとめ)
エヴァは今回で完結となり日本のアニメ界として、永遠に残る作品となりました。この先も語り継がれる物語(神話)になったのだと思います。最高の作品と同じ時代にいれたことを感謝したいと思います。