「相変わらずのド迫力も、お堅いロシアでユーモア半減」ダイ・ハード ラスト・デイ 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)
相変わらずのド迫力も、お堅いロシアでユーモア半減
待ちに待った『ダイハード』最新作inロシア!
流石、アクションシーンは文句無しの大・大迫力!!
車両を何台潰したかサッパリ不明の超絶チェイスを筆頭に(車で車を渡るな(爆))、
軍用ヘリとの対決やら爆破だらけの銃撃戦やらこれでもかのアクションてんこ盛り仕様。
爆炎をこれだけド派手かつ美しく撮ったアクション映画も最近は少ないので、
「うおぉ、俺は今アクション映画を観ているぞォッ!」って感じで爽快感大。
なので、アクション映画としての“画力”は文句無しに『ダイハード』。
そこだけ観るなら判定4.5〜5.0!……なんだけど、ん〜〜。
何だろ、この、もうひとつ気持ちが盛り上がり切らない感じは。
考えたのだが……今回は過去作に比べて
ユーモアや、キャラに魅力を与えようとするシーンがあまりに少ない気がする。
過去作には壮絶なアクション(急)の合間にニヤリとするようなユーモア(緩)があったし、
主人公にも悪役にも脇役にも「コイツらをもっと観ていたい」と思える魅力があった。
それが・本作には・足りない。
98分という上映時間はシリーズ最短だ。展開にスピード感を出そうとしたのかも知れないが、
その分シリーズ特有のユーモア(≒マクレーンの減らず口)や
キャラの特徴付けまでガシガシ削っている気がする。
せっかく息子も登場したのだから、掛け合い漫才みたいな罵り合いを期待してたのに……。
いや、プロットは『4.0』ほどには悪くない。
終盤のどんでん返しで僕は「えええぇー!!!」とマジビビりした訳で、あそこから気分もグンと盛り上がった。
だが、いかんせんギアチェンジが遅すぎたし、話の整理の仕方もイマイチ。
殺される仇敵アリクの存在感不足も痛かった。
アリクにもっと見せ場を与えていれば、ラストの展開はもっと衝撃的だったと思う。
彼を操る悪徳高官も同じく、存在感が足りない。両者とも、観客にインパクトを与えるシーンが殆ど無い。
そういう意味ではソコロフ親子はかなりいい線を行く悪役だったと思うので、
“周囲のフォロー”の弱さが本当に勿体無い。
以上!
シリーズ中でも出来が良いとは言えないが、やっぱり水準以上の判定3.5。
息子を想う父の台詞に思わずウルッと来たのも本当だ。
「ヒドい目に遭ったが、お前といられたから楽しかった」
ロシアでも相変わらずの、愛すべきクソ親父。イピカイエー!! マザ(以下自粛)
<2012/2/14鑑賞>