ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日のレビュー・感想・評価
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【”パイ”という風変わりな名前の男が語る青年時代の227日に及ぶ太平洋漂流生活(ベンガルドラ付き!)の面白さに魅入られた作品。】
ー 物語の見せ方が上手い。ー
・いきなり漂流の状況から入るのではなく、今やインドを代表するイルファン・カーンが成人になったパイ・パテルとして登場し、気乗りしない感じで、カナダ人ライターに若き日の漂流物語を語り始めるところから、物語は始まる。
◆ここからが圧巻。
・数々の試練(乗っていた貨物船が沈没した後、パイとともに救命ボートに避難したシマウマ、ハイエナ、オランウータンが相次いで命を落とす中、ベンガルドラとパイが何とか生き残る・・)を潜り抜けて、一人の少年とトラの長い長い太平洋横断漂流が始まる。
・サバイバル・アドベンチャーの大作。
<漂流途中にパイが遭遇する、幻想的な美しい海洋神秘シーンも忘れ難い作品である。>
<2013年1月26日 劇場にて鑑賞>
Ang Lee
脚本と監督の表現したいことが100%マッチした極上の作品。
リリースされた時期となんか有名すぎて見る機会を失った映画作品で、1本や2本ありませんか?私に取ってはこの作品がそうでした。当時は最先端のVFXを使った美しい映像ということで、ニュースで大きく取り上げられていたことを覚えています。でもなぜか観るのが後回し後回しになって、あんまり、絶賛の声も聞かなかったので、今の今まで観ていませんでした。しかし、蓋を開けてみる、めちゃくちゃ良質で大好きな作品でした。
まず、一番最初に話したいのは、VFX。この当時は、Avatarなどが公開された時期でもあり、空前のVFXブームでした。(今もそのブームはどこが残っていますが。)この作品の8割を占める戦場でのシーンは、ほとんどのVFXショット、トラなんかも全てVFX.ここで話したいのは、そのVFXの質が高いということはもちろん、数段レベルの上がっている現在2019年に観たとしても、その違和感を感じないVFXの使い方。一言に言ってしまえば、パイの夢の中のような話なのですが、その話は後にしておいて、その夢の中のようなファンタジー世界という一枚の壁を取り払い、現実と夢の世界が区別できなくなるような世界を作り上げた上で、VFXでさらにその幅を増幅させている。まるで、美術館に行ったような感覚。我々なんかでは、到底理解できないような芸術の歴史は置いといて、世界の芸術作品に囲まれている空間というのが、自分がとても小さく感じるぐらい、広い広い世界がその作品にはあって、その奥行きさえも感じてしまう。大きくいえば宇宙を感じる時間。それをこの映画では感じることができました。
その夢の中という話ですが、主人公のパイはインドで3つの宗教を信仰しながら、円周率πの桁を無数に覚えるという変わり者。宗教と科学。これが1つのテーマ。昔から大きな対立を生んできた両極とも言える分野。そしてもう1つのテーマが大人と子供。その中でも子供の好奇心、可能性、未来を中心に描いています。パイは好奇心から、3つの宗教を信仰しながら、聖水を飲む禁忌を犯してしまう。いじめられながらも円周率をめちゃくちゃ覚えて学校のスターに。まさにテーマにぴったりのキャラクター。そのパイが漂流して、トラのリチャードパーカーと船上で生きのびるストーリーなのですが、その世界はまさにファンタジー。とても美しい空や海。波と共に訪れる多くの生き物たち。流れ着いた島での木々やミーアキャットの大群。どれも現実とは信じがたいものばかり。最後に救助された時に日本人ジャーナリストは彼のストーリーなんてまったく信じない。ぁれらがも止めているのは、読者が信じられる真実っぽいこと。しかし、子供というのは実際に現実とは信じがたい経験をしています。初めてのことは常に冒険で、毎日が自分が主人公の物語の1ページなんです。それが好奇心を触発し、夢を作り、芸術の礎を築き、成長していきます。その無限大の可能性を秘めた時期の唯一無二の感覚が、VFXを使って太平洋の上のポツンと浮かぶ一隻の船の上で描かれます。
その美しい光景には理由なんて必要ない。感じたことが正解なんだから。映画を観ているときもまったく同じ感覚。視界を埋め尽くす超現実的な映像と、耳に届く音を吸収し感じるだけで十分。その考えるスペースを自分の世界との架け橋として使い、超現実と現実とを溶け込ませる時間。この時間が映画体験。1800円の価値以上のものがあるところです。そして最後にトラのリチャードパーカーがとった行動はとても悲しい。いつかは好奇心よりも社会性、人間性が勝ってしまうときがくるのだと。
完璧。アンリー最高。
ん~~。
虎と人の絆だけでなく、漂流記という所に感銘を受けるべきだったのだろうが語り手の胡散臭さが拭えきれず、インタビューしている役者の表情と言葉の違和感がすごかった。そこに何か意味があったのかもしれないが。。。
アン・リー監督の美的映像感覚のすばらしさに驚きの息を飲む。 児童文...
アン・リー監督の美的映像感覚のすばらしさに驚きの息を飲む。
児童文学として評価したいすぐれた作品。
一線を超えられない猛獣との漂流を通して人生の過酷さを表現している。
ファンタジーの世界のトラではないのね
1回目に観た時はものの15分で爆睡…
リベンジで。
ちゃんと観ると思いの外、とっても良かった(*´ー`)
トラと青年が仲良く漂流かと思ってたら全然違ってたw
『earth』敵な良さも感じた。
最初のパイの由来はどうでもいい気がするんだけど…⁇どうなんだろうか?
シマウマ、イノシシ、オランウータン
普段ならこういう仕掛けのある話は大好物なのだが、リー監督の『ウェディング・バンケット』や『恋人たちの食卓』が好きな自分は、観たいのはこれではないと思ってしまって、乗り切れなかった。
信じたいものを信じれば良い。
とにかくキレイな映画。
漂流が始まってからの映像美だけでも楽しめるレベル。
クロウト好みというか映画マニア向けの内容を、
可能な限りの映像美でくるんだ感じだろうか。
個人的にはその「クロウト好み」が鼻につくというか
散りばめられたメタファーとか、伏線的なセリフとか
制作者のドヤ顔が透けて見えるようでちょっとうんざりした。
「どちらの話が本当か」って気になるところだけど
それはもう自分が信じたい方を信じれば良いのかな、と。
個人的にはファンタジーを期待して観たので、
「含蓄」の部分をもっとオブラートに包んで欲しかった。
気づかない人は気づかないままでOKみたいな。
ただね、必要なんでしょうけど前半が退屈すぎる。
繰り返すけどファンタジーを期待して観た自分としては
けっこう辛い時間でした。
まぁ敢えて人に勧めたいとは思わないかな。
最後まで見ると、面白さが少しわかる。
最後まで見ると、いろんな不自然だったことが、全部嘘の可能性が出てきて、結局、今まで見てきたのはなんだったみたいな話にもなります。うーん。壮大な不自然な嘘を見せられていたようで、微妙でした。虎との生活はありえないと。最後、謎解きみたいに、あれはあーゆー意味だったのか的な楽しみはあると思いますが、映画としては、楽しめませんでした。残念。
映像がとても綺麗です!! 圧巻!!動物達がほんとにこれCG? って...
映像がとても綺麗です!!
圧巻!!動物達がほんとにこれCG?
って思わせるぐらいのリアリティ!
虎との漂流ってどう撮影したんだろ
あまりにも動きや表情だったりが本格的すぎてびっくり(゜ロ゜)
ストーリーは色んな解釈ができます
深く考えられる事もできるしあっさりファンタジー映画として観ることもできます
虎との漂流を信じて見てましたけどまあ改めて解説観ると信じられない要素盛りだくさんだし、隠喩?みたいなのを表してたんだな〜と所々分かります。
例えば絶望に陥ったパイに虎との友情を想像することで虎は希望に変えられた存在でありパイの創造上の生き物だったことそして、それが分かる伏線はお父さんの「お前は虎の心を見てるんじゃないか、虎に写った自分を見てるんだ」ですね、
ほんとよく出来た映画です。人は時には夢を見る事で希望を持たせなきゃねって思わされた映画でした
トラと漂流?ありえるか、そんなこと。トラって何かの比喩だな。か、ま...
トラと漂流?ありえるか、そんなこと。トラって何かの比喩だな。か、またはトラと少年がやがて心通わせる夢物語だな、そう思った。
おいおい、ほんまに漂流するんや、まさかこれ実話?いろんな想像をしながら緊迫の漂流を追体験します。
何と言っても驚かされるのはその映像美。どうやって撮影したんだろ?まさかほんとにトラと対峙してるの?なわけないわな。またまたいろんな想像をしてしまいます。
そして衝撃のラスト。えっ、なに?どっちがほんま?アホな私にはつらい展開。
ネットの解説を見るとよもやの恐怖映画?しかしいろんな想像ができるようです。後は君が考えたまえ!ってやつね。
何回も見ろ!ってか、ヤダ(笑)宗教色が微妙に絡むのもちょっと苦手かな。
でも、なんとはなしに不思議な魅力のある映画でした。
大迫力のトラとの生活
鑑賞後に、ネットを見てみると、トラとの協働(?)によるサバイバル劇と、保険会社に語るもう一つのサバイバル劇、この二つには色々な暗喩が込められていたことが分かる。
何で事実に相違することを言うのかなぁと漠然と思っていただけで、暗喩だとかそんなことは、全然思いもしなかった。物語を深読みすることについては、まだまだ修行が足りないなぁと痛感。
それにしても、リチャード・パーカーは迫力あり。殆どがCGとのことだが、本物にしか見えない。映像技術の発展はすごいものだと感心。
宗教信者と無神論者が折り合いを付ける作品
素晴らしい作品でした。
表(空想)のストーリーと表のストーリーをひっくり返した裏(現実)ストーリー。
ラストで初めて浮き彫りになる最大のテーマ!構成抜群です。
以下、ネタバレ
表と裏ストーリーの中にはつじつまの会わない部分があり、諸説ありますが
いわゆる食人島の部分はあくまで現代社会のメタファーをパイ自らが付けた【話の尾ひれ】だと解釈します。
ラストでパイが「今話したストーリーは全て神の話でもあるんだよ」と名言してる通り
この映画は
「神話や宗教上の逸話・伝承は全て人間が体験した悲劇や経験の話が脚色され尾ひれがついただけの物である」と宗教や神話を否定をしつつ
「だけど、そう考えれば今現在伝承されている神話や宗教上のトンデモなお話も理解することが出来るでしょう?」と肯定も含んでおり、実に現代人向けのメッセージだと感じました。
見る人を多少選ぶ映画ですが、ストーリーの構造を読み解くのが苦手な人でも感覚的に楽しめる映画だと思います。
最近見た映画の中で一番好き!!
何より、わかりやすいのでカタルシス。
作り手が何をしたくて、何にお金をかけて、どういう作品にしようとしたかがめちゃくちゃわかりやすい!!
話のオチもわかりやすい!!
「この作品は何が面白いのだろぅ…」といちいち考える必要がない!!
スッキリ爽快感のある作品ですので(明るい話では無いのですが)お仕事疲れの方にオススメしたい作品です!!
怖く、切なく、感動的。
ちょっぴり胡散臭くファンタジーの様な前半から、驚きと、なるほどという真実に近づく後半。
映像は予想通り素晴らしかったのですが、それよりもちょっと、予想外なストーリーに目がいってしまう良作映画でした。
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