「青島の笑いは、永遠です!」踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望 Ryuu topiann(リュウとぴあん)さんの映画レビュー(感想・評価)
青島の笑いは、永遠です!
ここ数年の景気の低迷から邦画、えいえい映画界全体元気が無くなっているけれど、その厳しい現状の中で、ヒット映画興行の記録を持つに至った本シリーズがいよいよ終わりを迎える事になったのは、映画ファンとして本当に淋しい限りだ。
青島を演じる織田裕二をトム・クルーズと比べて観たら、世界中のトムのファンに一緒にしないでと叱られてしまうかもしれないが、トムも、50歳と高齢になって来ているけれど、「MI」シリーズを未だに立派にこなしている事を想えば、邦画界の誇る織田裕二演じる青島君だって、湾岸署でまだまだ今後も、一と暴れも二暴れもと続けて活躍してくれても良さそうな気がするのだが?ダメなのだろうか?シナリオ作家の君塚さんは、もっと話しを続けて書いてはくれないのかな?
「踊る大捜査線」では、米映画程の製作費も、映画のスケールも、マーケット規模とどれ一つとっても中々ハリウッドの「MI」シリーズとは決して比較にならないのかも知れないが、それでも近年の邦画界の興行成績の最高の集客動員数の新記録を持っていると言う事は、それだけ本シリーズが日本国民に愛されている事の証なのだと思うのだが、やはり無理なのだろうか?少しばかり大袈裟なもの言いをしてしまったが、日本のエンタメとしてこのシリーズは良い線行っていたと私は思っていたのだ。
特にこの作品のシリーズは、あまりシリアスに深く人間を描く事はしないが、決してオチャラケだけのコメディー映画では無く、その時代の日本の現状を踏まえて社会の問題に切り込んでいる点で言えば、松竹の「男はつらいよ」そして「つりバカ」終了した今日、それらに替わるエンターテイメント邦画の殿堂として、立派に青島はヒーローになっていける存在の筈なのだ。
しかし渥美清ではないけれど、人気シリーズのヒーローを演じ続けていると、役者としては何時も同じキャラクターを演じなければならないので、イメージが固定してしまうと芝居の冒険が出来ない点が、俳優としての面白味が演じる側には無くなってしまうのは確かな事で織田さんや、他のメンバーの方々にはマイナス面もあるかも知れないが、しかしこれだけヒットを飛ばしたこの「踊る大捜査線」シリーズが終了するのは、やはり淋しいものだ。今回のファイナルも、ファーストシーンはまさか遂に青島とすみれゴールインかと思わせぶりのスタートから始まり、今回も素直に楽しませて貰えました!
更に、タイトルバックに和久さんの姿もしっかり登場するし、最後に相応しいサービスも満点だったので、「ファイナルだよ、全員集合!」と和久さんの号令で、湾岸署にみんな集結した、このファイナルは、このシリーズファンにとってはちょっと淋しくても、嬉しい別れでしたよね!
そして、最後に青島君のシメセリフは「室井さん、いつか言いましたよね。現場が正しいと思うことを出来るようにするって、あれ、嬉しかった・・・正しいって難しいです。一人一人、違うでしょうし、でも、警察官は警察官になった日に誰もが思う。正しい事をしたいって、俺たちは、警察は街の人を守る最後の砦なんです!俺も街の人を守りたい!」と言い終えて、現場に行かなくては、退場する青島君は、マジ、カッコウイイ!そして、この青島の言葉を一人一人の映画を観ている自分自身の日常の役割に置き換えて考えたら、きっと、もっともっと素晴らしい日本になれるとしみじみ思ったのだ!
「ありがとう!青島君! しかし、君、男だろ?すみれさんとのこと、結論だせよな!」と言いたかったな~
「ファイナルだから、ゴールインあっても良かったのに!!何々、そこが、邦画らしいファイナルの美学だと?う~、それなら、何故、高速急行バスを倉庫に激突させて、「スピード」のような事になったのかな?一度派手に終わらせてみたい!」ってか?
とにかく、スタッフ、キャストのみなさんお疲れ様でした!!!
楽しい映画をありがとう!