「苦節15年、ふたりの約束…」踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
苦節15年、ふたりの約束…
"踊る大捜査線(映画)" シリーズ第4作。
通常スクリーンで鑑賞。
ノベライズは未読。
ついに終わってしまうのかと、寂しい気持ちになった。始まりがあるものには必ず終わりが来ることは分かっているが、いざその時が来るとやはり悲しいものである。大好きなシリーズだからなおさらだ。青島が定年になるまで続いて欲しかった。
捜査本部にいる室井のシビれる指揮の下、現場で捜査に奔走する青島。この図式こそ踊るの醍醐味であり、これが無くては踊るじゃないと言っても過言ではないのだ。
前作でふたりのやり取りが殆ど無かった分、クライマックスへ向けての捜査は、「これこれ、これが見たかったんだよ!」と云う興奮に体中が震えて仕方無かった。
警察組織の腐敗をつまびらかにし、膿を出すために払った代償は正直に言って大き過ぎた。しかしその代償も、腐敗していなければ絶対に生まれて来なかったものであった。
警察組織に限らず、組織の面子を保つための力学による理不尽を被っている人たちがいる限り、この怒りは連鎖となって、決して終わることが無いのではないか、と思った。
理不尽に怒り、正義を暴発させた犯人に発した青島の言葉がカッコ良く、心の底からシビれた。「正義なんてのは、胸に秘めとくぐらいがいいんだ」。まさにそうかもしれない。
青島と室井の約束がついに実現しそうな希望を持たせた終わり方に、ようやくこの時が来たのかと感慨深い。苦節15年、ふたりの苦労がようやく報われそうで本当に嬉しい。
シリーズは完結だが、青島は今日もどこかで元気いっぱい、捜査に取り組んでいるのだろうと思える。彼のような人がいる限り、この国の未来は明るい。ふと、そんな気がした。
[以降の鑑賞記録]
2013/04/26:DVD
2013/? ?/? ?:DVD
2013/10/05:土曜プレミアム
2013/? ?/? ?:DVD
2016/? ?/? ?:DVD
2020/05/18:DVD
2023/04/19:FODプレミアム
2024/11/16:土曜プレミアム(4Kレストア版)
※修正(2024/11/15)