「内野聖陽さんのファンなので・・・」臨場 劇場版 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
内野聖陽さんのファンなので・・・
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2012年。原案:横山秀夫。監督:橋本一。
キャッチコピーは「物言わぬ死者の声を聞く、それが彼の使命」
彼とは検視官の倉石義男(内野聖陽)
通り魔殺人事件の犯人(柄本佑)が心神喪失との鑑定で無罪になった。
刑法39条・・・心神喪失者は罪に問われない。
この事件により起こるの波紋を多重的に描いた作品です。
その事件の被害者とその遺族。加害者(犯人の波多野)
加害者は本当に心神喪失なのでしょうか?
検視官の倉石義夫は通り魔殺人の被害者の検死に当たります。
まず鑑識官全員で手を合わせて拝み、鎮痛な表情で真摯に死体に向き合う。
2年後。
波多野を無罪にした弁護士と波多野を心神喪失との鑑定した精神科医が
殺された。
捜査本部は通り魔殺人の遺族(若村麻由美)の犯行と考えるが、
倉石は次の2点から犯人は別にいると推定する。
鋭利な刃物で動脈を躊躇いもなく確実に切断して死に到らせてる点。
そして、死亡推定時間を操作した痕跡に着目する。
この映画は本当に至れり尽くせりの脚本です。
通り魔殺人事件で運命を狂わされた遺族の心情。
犯人・波多野の描写・・・この柄本佑がまた上手い。
知能が高くて狡猾しかも良心のカケラもない虚言癖の男。
波多野の担当弁護士と精神鑑定医の人柄。
娘が殺された遺族は、裁判で無罪になるなら自らの手で私刑を課したい・・・
そう思うのが本当の心情です。
その辺りを若村麻由美がエキセントリックに演じます。
倉石の重い病(重病です)は悲劇を盛り上げる常套手段で、やや興醒めですけれど、
内野聖陽が演じれば、説得力を持つのは卓越した演技者だからですね。
ラストの見せ場もなかなか派手で劇場版ならではのスケール。
長塚京三の重厚な演技がとても品よく良かったです。
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