へんげのレビュー・感想・評価
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自宅(CS放送)にて(『大拳銃('08)』も同時に)鑑賞。荒削り乍ら、何とも云えない魅力に満ち溢れた作品で、作り手のやりきった感が伝わる。展開上、風呂敷がドンドン拡がって行くのだが、その畳み方が気になるより、画面とプロットの持つ力に呑まれ、惹き込まれた。脚本・編集・監督を手掛ける大畑創の商業デビュー作らしいが、ショートフィルムと云うより、長目のトレーラーを観た感じで、もっと観たい衝動に駆られた。卒業制作で撮ったと云う自主映画『大拳銃』にも満足。今後の作品が気になる監督がまた一人増えた。75/100点。
・へんげする際の骨が軋む様な効果音が印象的だが鑑賞中、想起したのは『遊星からの物体X('82)』、『AKIRA('88)』、『ヘル・レイザー('87)』、『ザ・フライ('86)』、『鉄男』シリーズ('89・'92・'09)……等々。
・鑑賞日:2013年3月13日(水)
ザ・フライ
外科医でありながら病気のため引退し、後輩・坂下(信國)の持ってきてくれる翻訳のバイトで食いつないでいる状態の門田吉明(相澤)と、その彼を支える妻・恵子(森田)。3日に一度くらいで起こっていた発作も頻度を増し、手がハエ男のように変貌を遂げ、発作が治まると普通に戻るようになった。恐怖におののく妻であったが、坂下にもらった鎮静剤で急場をしのぎ、かわらぬ愛を貫いていた・・・
一旦は入院させた恵子であったが、その頃、連続通り魔事件が世間を賑わせており、彼が犯人なのではと疑う恵子。そして病院を抜け出し家へと帰ってきた吉明の身体がメスで切り刻まれてれるのを見ると、ますます愛おしくなってゆく恵子。冒頭でもテロップに“夫婦の愛の物語”と書かれていたし、完全な愛の物語なのだ(ほんとかな?)。そうした変身を遂げても愛を貫く物語といえば、『ザ・フライ』がある。
その『ザ・フライ』と似たような展開(とはいえ、原因についてはさっぱり語られず)からどのようなオチに持っていくのかと思っていると、“彼”の餌を妻が準備するというものだった。ちなみに、通り魔殺人は吉明の犯行だろうけど、人肉を食ったと思わせる描写はない。突然、病院を抜け出したと気づいた坂下が門田家にやってきて、吉明に食わせる。出会い系サイトで知り合った男を家に呼び入れ、吉明に食わせる。妙なタレこみがあったと刑事がやってきて、彼らを食わせる。とうとう、警察に追われることになった二人・・・
発作も頻度が増すと、わけのわからない古代語を口走るようになったが、それが破壊神であるかのような内容だったのだ。警官隊に撃たれて瀕死状態となっても、生きていて、徐々に巨大化してゆくのだ。自衛隊も登場、そしてさらに巨大化(100メートルくらい?)してビル群を破壊してゆく・・・という終わり方だった。
何が凄いかというと、低予算自主製作映画であるということ!さすがに徐々に虫になってゆく描写はないが、気色悪い効果音でその過程を表現している。そして、これが54分という長編とは言えない尺。咆哮についても武器になっているし、造形の不気味さも安っぽさを忘れてしまうくらいだ。
2016年に懐かしささえ感じる特撮
冒頭から妻の自慰シーン、通院する夫、お祓いするが返り討ち、妻も手伝い美人局で獲物を捕獲。怪獣の変化が回を増すごとに部分的に増えていきバリエーションがあり見てて楽しい。銃撃され大ピンチからのまさかの巨大化!ビルをぶん回して人を振り落とす。大砲くらって更に巨大化、ゴジラの如く街大破壊。妻が叫ぶ「いけーー!よしあきーー!」で幕。
とんでもない映画
宣伝の画像が主人公の妻の複雑な表情で、ところが映画を見ると、なんとびっくり特撮映画!昔ながらのミニチュアワークで怪獣が東京を破壊するというおじさん世代にはたまらない場面! でもそれは、見た人をびっくりさせるためにあえて伏せているのかもしれない。
しかし集客を考えるといくらかネタバレしてもこんなびっくりな映画なんだよと示すのも大事じゃないだろうか。
確かに、「これは何の映画なんだろう?」と思いながら見るととんでもない展開になって本当にびっくりした。なんの情報を入れずに見ることの喜びが確かにあった。
映画好きなんだなあ(´∀`)
上映時間は短いけど・・・
短い映画にこれだけ色んな映画の要素を入れたのはすごいと思います(・∀・)イイ!!
同時上映の『大拳銃』にも共通してるけど、一般の人がふとしたことから泥沼にはまって抜け出せなくなり、狂気に走っていくという一種のノワール映画。
『第9地区』とか『ザ・フライ』に代表される変身もの、尺は短いけどカップルの逃亡劇という面では『俺たちに明日はない』、さらにラストでは何とまさかの怪獣映画にΣ(゚Д゚ノ)ノオオォッ
この展開は予想できなかった・・・(^_^;)
もう勢いで突き抜けた部分もあるけど、主役2人の表情が非常に(・∀・)イイ!!
特に奥さん役の女優は、旦那を一度は見放すも戻って来て家に入れて、怪獣に変化した旦那のために出会い系か何かで男を探してきては旦那の餌にするという世にもおぞましい悪行をしてるのに、幸福感さえ漂う(;´Д`)
旦那の変化するときの発作演技はすごいΣ(゚Д゚ノ)ノ
そして後輩である精神科医の役者も、どこか腹に一物抱えた感じの嫌な面が出てて良かった(・∀・)
ラスト「行けーーーーーー!!!」にもう全て集約されてる感じ(^_^)
自主製作映画でここまで作ってしまう監督がすごい!!!!
映画がほんとに好きなんだな~と感じさせる映画(^O^)/
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